電力

 曇り、時折薄日が差すが、気温も12,3度と少しと寒い。

 早朝から石川選手のゴルフを見ているが、遠く離れたアメリカのゴルフ中継を日本に居ながら見れるというのは、本当にうれしいことである。これが当たり前と思う気持ちが、少しの不便を我慢できなくなってしまうのだろう。

 今夏、東京電力関西電力は、節電の呼びかけをしているが、本当は電気を使わない生活をしようと思えばできるのである。何故なら、これ程日本人が電気エネルギーを必要とする生活を強いてきたのは、電力会社なのである。

 例えば、今話題の原発は、一度稼働すれば電気を発生し続ける。もし起こした電気を蓄えることができれば良いが、それができない。だから深夜電力などという割安な価格が生み出され、24時間電気を使用する生活が当たり前のようになってしまったのである。

 24時間、コンビニが開き、いたるところに清涼飲料水の自動販売機が置かれ、ネオンは煌々と光っている。その暮らしが当たり前のようになり、その生活に慣らされた人間が生み出されてきた。

 真っ暗な夜道が防犯上よくないということから、街路灯が整備され、自動車道路にもどんどん街路灯が整備され続けてきた。

 今回の節電の呼びかけは、普通に暮らせば、簡単にクリアーできることである。日本人は、ただその生活に慣らされてきただけで、本当に困るというのなら簡単に生活を切り替えられる。

 穿った見方をすれば、電力会社の殿様商売的振る舞いが却って目につくことになる。

 戦後、高度成長期、国内の電力供給を安定させるには、国策として地域ごとの独占的な電力事業をさせることが必要だった。しかし、今、技術の進歩により、大きな事業所などは自前で電力を自家発電し使用できるようになってきた。その発電量は徐々に増えている。その中で電力会社だけが地域独占を続ける必要はない。それは、時代の流れである。

 今回の事故をきっかけに、電力会社の地域独占は崩れるだろう。更に家庭内の使用できる電気は、各家庭で自前で供給できるようになるだろう。それが風力であったり太陽光であったりそれ以外であったりするだろうが、蓄電できさえすれば、それはすぐにでも可能である。

 今、ハイブリッド自動車の登場で、蓄電池の性能は上がり、価格も時間とともにドンドン安くなってきている。もし日本の各家庭に配置できる需要があれば、もっと安価に供給できるようになるだろう。そうなれば各家庭に引き込まれた電力線は無用になり電力会社自体の必要性は限りなく低くなる。

 そうなれば、電力会社が地域独占企業で亡くなる時代は、すぐそこにきていると言っても言い過ぎではない。

 日本が生き残る技術の一つに、省エネ技術が言われてきたが、その技術で世界に打って出る最後のチャンスかもしれない。これを逃せば、逆に省エネ技術を輸入しなければならない事態に追い込まれてしまうだろう。