変わる街

 晴れ、しかし気温は低い。北の海上に高気圧が大きく張り出しているため、その影響である。徐々に西に移動しているのでまた暑さがぶり返しそうである。

 昨日は、出張で東京であった。しかし、驚くほど気温は低く、北海道の気温と同程度であった。台風一過、今日あたりは夏晴れになるのだろうが、丁度良かった。

 相変わらず東京都内はどこに行っても人だらけで、落ち着く所が無い。あの環境に慣れればどういうこともないのだろうが、慣れない人間にとってあの環境にいることがストレスである。

 それにしても驚くのは、街のscrap and builtの速さである。いつまでも同じ風景を保つのを拒否するように中心街は模様を変える。

 一見近代的であるように思えるが、実は、歴史に何の未練もなく、建築家、あるいは建て主に何か形あるものを残そうという気概が無いのだろう。これが、古くからの伝統を持たない街の悲しさであると思う。

 自分の生まれた所の風景が変わり、記憶の痕跡もなくなってしまったようなところに故郷の愛着を感じるだろうか?きっと何の愛着を感じずに人はこの世から去っていく。

 そしてその街も、その消えてしまった人々のことなど考えもせず変貌を遂げていく、言ってしまえば、年老いた人間のエゴなのかも知れない。そのエゴイズムを受け入れることは無い。