経団連

 曇り、気温はそれほど高くないが、蒸し暑い。


 水は低きところに流れていく。その逆に高きところに流れるのであれば、驚きである。ただし、今回の大震災は、水が高きところに流れることを津波という形で現れた。

 最初に言ったように、水は低いところに集まるから、それに備えて水たまりを避けて家を建てる、あるいは水が入らないように堤防を作りその影響を避けようとする。

 

 それが正しい人間の生活の知恵である。普段の生活の中で海から水が押し寄せてくることなど想像しながら活動はしない。しかし、それが今後も何時か起こることを学習したはずである。この世に絶対などないことを。

 今日の朝日新聞で、経団連の会長の訳のわからないインタビュー記事が載っていた。楽天の三木谷会長経団連を脱退したことについての話だったらしいが、殆ど記事として読み手に意図が伝わらない文章だった。

 ただその判りにくい文章から、読み手が解釈するとするなら、経団連は、原子力発電を支持するし、自然エネルギーなど使えない代物であるということである。

 本来なら、「素人考えは止めにしろ、日本の経済を動かしているのは自分たちで、経団連の仲間にも加われない人間の意見など聞くに値しない。」と言いたいのだと思う。

 その雰囲気を読者に伝えるために朝日新聞は記事にしたのだと思う。ある意味底意地が悪い記事だったかもしれない。

 

 日本は、長年続いてきた絶対起きないと強弁し続け、それが本当に起きないことを理由に成長を続けてきた。しかし、絶対起きないということは無く、ただ何とか持ちこたえてきた結果だったのだが、そのことで自分たちの主張は正しかったと考えてきた。

 しかし、一度その信頼を失えばどのようになるかなど想像すらできなく、そのため今自分たちが築いてきた権力基盤が揺らいでいるのを実感し、如何にその立て直しをするか判らず思考停止の状態に陥っているのである。

 今の経団連は「溺れる者は藁をも掴む」という諺があるとおり、溺れてしまうまいと影響を及ぼすことのできる媒体全てを使い、必死にそれに抗っている。冷静に対処すれば本来底に足がつき立ち上がることができるのにやみくもにバタつくためそれが理解できないのである。

 本来なら、今は引き時と考え体制を整えるため、静観するのが正しい方法だろう。色々な事を菅政権が言い出したとしても、それを上手く利用してやろうという心構えでなければ上手く立ち回れないだろう。

 

 頭の良い人間なら、ここで自然エネルギー利用の旗振り役をやるだろう。そしてその勢いを利用しながら自分たちの進むべき方向を見極めるだろう。当然、少なからず仲間が犠牲になるだろうが、その時代時代を生き抜くためには新陳代謝はどうしても必要になる。

 電力業界が、今までの経団連の大きな柱だったのかもしれないが、その柱を切るぐらいの度量を持ち合わせていなければ、本来の経営者とは言えないだろう。