曇り時々晴れ、気温は10度以下である。

 山々の木の葉は、徐々に色付き始めて、もう少ししたら本格的な冬が来る。それに備えて冬眠前の熊も餌を確保するのに躍起となって住宅街に降りてくるのだろう。

 それにしてもヒグマも軟弱になった。何故なら山には野生のシカや小動物が数多く生息している。それを襲わず、住宅街で餌をあさるとは。

 確かに、鹿を襲うにはそれなりの体力がいるし、危険も伴う。クマ一頭の力でおいそれとはいかない。昔の北海道の川なら、今頃鮭が遡上して格好のえさとなっただろうが、それも今では人間が待ち構え川の途中で捕獲する。

 山のどんぐりや木の実などは、植林や造材で徐々に少なくなり簡単に手に入りにくくなっているのも事実である。クマとして生きて行くには世知辛い世の中になってきてしまっているのだろう。