子役

晴れ、気温は零下である。アスファルトの路面は、融けた雪が凍って黒く光っている。

 最近のTVの顔と言えば、芦田愛奈ちゃんだろう。一日TVを付けていれば、必ず映る存在である。

 TVに出る芸能人も旬というのが有り、その長さも色々である。余り露出が多いとそれだけで、表舞台から消え去っていく時間が早まってしまうものである。

 今の彼女にとって全く経験したことのないことを毎日繰り返しているのだから楽しいだろうが、何時かその日常に耐えられなくなる時が必ずやって来る。
 そのことを周りの大人たちが考えているとは、徐々に思えなくなってきた。ある意味、今が売り時だから稼げるだけ稼ごうというあざとさが、本人は別にしてその周囲からぷんぷんしてきた感がある。

 芸能人の宿命というと簡単だが、人一人の人生を、見ている者のために切り売りしている状況になってきていることを本人は何時気付くのだろう。

 TVを通して、幾多の芸能人が現れ消えていくところを視聴者は見続けてきたわけである。一瞬でも輝けた芸能人は幸せであり、その輝きすらもせず消えていく方が多いともいえる。
 
 人の生き方をとやかく言うわけでは無いが、子役の年齢であれ程テレビに出続けることの弊害を気にする親心みたいな感情が湧き出てくる。