医療

 くもり、気温はマイナス10度くらい。

 

 日本の医療制度は、危機的状況を迎えようとしている。その一つが医療費の増加である。もう一つが老人の医療費を支える現役世代の数が着実に減っているという事である。

 この先、少し過激な発言となるのを許していただきたい。


 いま日本の医療政策は、老人医療に重点が置かれている。まさしく、老人の寿命を延ばす方向である。

 しかし、その延命治療も今の現役世代が受けるであろう医療の先食いを行っているのである。

 このままでいけば、日本の医療制度が破綻するのは目に見えている。それは、日本の経済とシンクロしているので、何時破綻するか予想はできないが、団塊の世代が本当に老人世代になった時だろう。

 今の医療費で問題なのは、延命治療だろう。何が問題かというと、延命する目的が有耶無耶であるということである。

 何かの目的がありこの人の寿命を延ばそうという前向きなものではなく、取りあえずすべての人を平等に扱う方が問題が少ないと考えて延命させることである。

 今の老人世代の延命は、実は、現役世代の寿命を先食いしているかもしれないのである。

 その一つに、将来の日本の姿に依存する。今、国民皆保険制度により、国民は平等に医療を受けられるようになっている。

 しかし、その制度が軌道に乗ったのは戦後しばらくたってからである。それまでは、全ての人間が高度治療を受けられるはずもなく、治療できずに亡くなっていた。

 もし、医療制度が破綻すれば、いくら高度な医療技術を持っても施すことはできない。

 それは、今の世界にも通ずる。世界的には日本のように高度医療を国民の誰もが受けられる国は数少ない。そういった高度医療があることを知っていても、貧しい国では、その恩恵を誰もが受けられる体制には無い。

 それと同じように、日本が貧しくなれば、全ての人が平等に高度医療を受けられなくなるかもしれないのである。

 そういった意味で、今の老人世代が次の世代に対して将来に備えた制度を残すかにかかっている。今の政策は、余りにも老人世代に対して重点が置かれ過ぎている感がある。

 この医療制度が破綻したときに犠牲になるのは、今の50代以下の全てになるだろう。その人たちには、平等に今の老人世代のような高度医療を受けられない可能性もある。

 それなら、今のうちに40代以下の世代に対して将来を保証してあげなければならないのだが、その将来像を今の政治家たちは持っていない。

 

 一つの方法として考えられるのは、今の医療費をプール制にすることだろう。年度ごとの医療費の総額を決め、その総額を超えた部分は自己負担に回すという湯女方法である。

 更にそのプール制も、人口比率と世代比率に応じた額をその都道府県に再分配するという方法にする。

 その中で、プールしたお金を色々な方法で運用すれば、都道府県間に格差が生じるだろう。

 それを見て将来の生活する場所を選択して行くことで人口の流動性が高まる。更に政策に失敗した都道府県は、裕福なところに吸収されていくようにすれば良いだろう。

 必ずしも大都会が有利にならないようにすれば、地方都市の活性化を生むことができるかもしれない。