北極振動

 晴れ、気温は相変わらずマイナス15度以下になっている。歩く雪道は、靴底が雪を捕えるたびにキュキュと音を立てる。


 今年は、12月から寒気が北海道上空に入り込み、例年にない寒い日が続いている。去年の夏は、南の太平洋高気圧が異常に強く、北海道も暑い日が続いたが、その反動なのか判らないが、ここ数年冬の間も強かった南太平洋高気圧の力が弱い状況となっている。そのためシベリア寒気団の勢力が強い。

 このような高気圧の北と南の勢いの差から暑い寒いは決まって来るが、もう一つの理由に北極振動が関係してくる。北極振動という言葉の馴染みがそれ程無いと思われるが、北極を中心として気圧が高ければ北極以南に寒気が押し出される。その寒気の押し出しは一様では無く、丁度地球儀を北極の上から眺めた時、寒気の塊は、アメーバ―状に動くように見える。

 そういう意味で、今年の冬は、その寒気の塊が北海道上空にせり出しているのだと想像できる。そしてそれを知ることができるものに「北半球500hpa高度・気温天気図」というものがある。

 最新の1月7日の天気図をみると寒気が北海道上空をすっぽり覆っているのが判る。更に寒気の境界は日本列島の端まで降りているため日本全国で厳しい冷え込みが襲っているということが判る。

 このように、便利な世の中になり、家に居ながら情報を手に入れることが可能である。そして今の状況がどうなっているのか理解することができる。

 しかし、今の状況が判っていても、それに影響を変えることはできない。自分たちができることは、その情報からこれから起こるであろうことに備えるしかない。

 北風が吹く時は、コートを身にまとい、体を竦めるしかないことは過去と変わらない。