話は熱で膨らむ

 晴れ、気温はマイナス5度くらい。昨日の雨と日差しで相当雪が融けたが、積もった量が例年以上に多いのでまだ山盛りである。この雪は5月くらいまでは残りそうである。

 北海道がこれだけ大雪だったにもかかわらず、九州などでは桜が開花したとニュースで伝えている。南北に長いとこれだけ違うということである。

 今年だけが異常であるのなら構わないが、この季節の変化の激しさは、この先もっと激しくなると思う。それはやはり中国の存在が大きい。今まで僅かな熱量しか発していなかった巨大な大地が今や毎日巨大なエネルギーを放出しているのだから、地球環境が変化しない訳は無い。

 物理学の法則に「熱量保存の法則」というのがある。簡単に書けば、暖かい物体と冷たい物体を混じらせるとその温度は両方とも同じ温度になるという法則である。

 地球の大気も、普通部屋(閉鎖空間)の中にある空気と同じ状態だとすれば、冷たい空気と暖かい空気が存在する場合、対流が生まれそして部屋の中の温度はやがて一定になるはずである。

 また、暖かい熱を発生するもの、例えば暖房器具が部屋の中に有れば、そこから絶えず熱が室内の空気にエネルギーを与え続けるため空気の対流は発生する。更に室内の中に、室外との交通がある窓などが有れば、窓が熱伝導体となり室温と外気の熱交換が生まれ、その窓を介して熱交換が起き更にそこからも空気の対流が生まれる。

 室内を地球に当てはめれば、熱源は太陽であるし、窓は宇宙との境界という事に成る。

 という事は、絶えず大量から熱エネルギーを受け、宇宙に放出するというサイクルを繰り返し続けることになる。これは太陽が燃え尽きるか、地球が何かの永久で消えてしまわない限り続く。

 そして今の環境に置き換えると、地球のいたるところで熱を発生し始めたという事である。今までは比較的地域的に偏っており、その大気に与える影響はまだ過小だった可能性がある。あるいは熱量の発生量はそれ程変化してはいないが発生点が増え、万遍なく陸地から発しているのである。

 そうなれば、その熱量を発生する場所には、熱量保存の法則に準じた大気の熱の交換が行われ上昇気流が発生する。そしてそれは周りに大気の不均衡を生じさせ、結果的に高気圧、低気圧が生まれ風を生む。

 

 今の地球環境の変化は、今まで部屋の中の熱源が数か所しか無かったところに大量の熱を生む電化製品が運び込まれた状態という事になる。

 この状態は、地球がまだ出来立てで、地上のいたる所に活火山があり噴火を続けているときと同じなのかもしれない。残念ながらその時代を知らないし、その時の様子を伝える映像は何処にもないので想像でしかないのだが。

 この先、大気の熱交換は活発になれば成る程、気象の変化は過大になる。夏でも雪が降り、真冬でも外気が40度以上になる北海道が誕生するかもしれない。そんな気象条件で人間が生き延びるとすれば、札幌ドームのような施設が必要になるだろう。それは、子供の時に見た、火星基地で暮らす人間の世界に似ている。