金融緩和政策

 晴れ、気温はマイナス1度と少し冷え込んだ。


 4月も漸く第一週の終わりになる。この時期年度代わりに成り、新社会人も入社し、色々な意味で忙しくなる。それが一段落するのが第一週を過ぎたあたりだろう。


 そして昨日、日銀の金融緩和政策が発表された。

引用 毎日新聞http://mainichi.jp/select/news/m20130405k0000m020065000c.html

 日銀が4日の金融政策決定会合で導入を決めた新たな金融緩和の枠組み「量的・質的緩和」策は、日銀が市場に供給するお金の量を今後2年で倍増させるという大胆な内容だ。資金供給の手段として、銀行などから購入する金融資産も、40年債を含む全ての国債に対象を広げるほか、国債に比べて価格下落などのリスクが高い資産の購入も増やす。黒田東彦(はるひこ)総裁は就任後初の決定会合で、白川方明(まさあき)前総裁の下で実施してきた「包括緩和」を抜本的に見直し。レジームチェンジ(体制変換)を鮮明にし、2%物価上昇目標の早期達成を目指す。

 方法は、銀行から国債を買うことで銀行にお金を流し、銀行がお金を企業に貸すことで市中にお金を回らせようという方法である。

 国債を買えば買うほど、国が発行する国債がさばけることになるので、国債金利は上昇しづらくなる。ただし、その代り発行する紙幣は、発行量が増えれば増えるほど国際的な額面の価値は下がり円安に誘導される。

 紙幣の額面の価値が紙幣発行量に応じて下がるわけだから、デノミをしているようなものである。例えば老後に備えた資金が1億円有って銀行に預けているとしたら、発行量が増えればそれだけでその価値は目減りしていることになる。もしかすると今回の倍発行するというだけで、半分に価値が下がる可能性もある。

 

 海外移住で、年金で楽に過ごせるというプランも、円安に誘導されればされるほどその夢は消えていく。もしかすると数年後には移住先の通貨の価値と同程度になってしまえば日本で暮らすのと変わりなくなってしまう。

 これは、老後に備えし資産を貯めようと考えている人間にとって死活問題でもある。それを救うには、やはり今回の量的緩和により、輸出産業が勢いを盛り返し、国内工業が盛んになることであるが、今までの円高で既に国内の生産は海外に移転し、技術者も海外に移動している状況で、果たして国内景気が良くなるかという事に成る。

 量的緩和が成功しているのなら、お金をジャブジャブ発行しているアメリカの景気回復はというと劇的成果は上がっている様には見えない。

 そして最大の問題は、日本が量的緩和をしたところで、他の国が同じような政策をとった途端、その意味を失う事である。更に、世界の国が量的緩和をすることで貨幣価値は世界的に下がり、結局はハイパーインフレを生む恐れがある。

 今回の日銀の政策は、日本だけが独自に行う事で価値があるだけで、もしかすると結局物価上昇という反動だけ残して日本の息の根を止める政策なのかもしれない。

 こんな悲観的な考えは、今のアベノミクスの前には無力な意見かもしれないが、常に物事の先を読んで新しいことを行うのは非常に難しい。それは大変な困難を伴う事でもある。そして当然リスクもある。そのリスクを見越して日銀が対応してくれることを願うばかりである。