アクセルは右か左か?

 晴れ。気温は朝6時台は曇っていたので10度くらいだったが、日差しが差すと徐々に気温は上がり15度くらいはある。

引用 朝日新聞http://www.asahi.com/national/update/0530/SEB201305300014.html) 

30日午後3時45分ごろ、福岡市南区向新町1丁目の「堺整形外科医院」の玄関脇に、福岡市南区のカラオケ店経営の男性(80)の乗用車が突っ込んだ。車はガラス張りの窓を突き破り、受付のカウンターに衝突して停止。福岡県警によると、3人が骨折するなど、福岡市や糸島市などの43~85歳の男女計6人が重軽傷を負った。

 南署によると、男性は車を後進させて駐車させるつもりだったが、誤って前進。アクセルとブレーキを踏み間違えてしまった、と話しているという。署が自動車運転過失傷害容疑で事情を聴いている。

 80歳、ブレーキとアクセルの踏み間違いという、最近極めて多い事故である。近頃、高齢者それも80歳以上の老人の車の運転が目立つ。きっと自分では大丈夫という思いがあるのだろう。

 自分の知っている人で、脳疾患の疑いで通院しているにもかかわらず車を運転して病院に通っている人を知っている。

 それは、危ないよと注意しても、やはり遠方から歩いては病院に通えず、バスなどは、便数が少なく、タクシーは高いので使いたくないといって車の運転をやめようとしない。確かに自分の都合ではそうだろう。しかし、それによって被害に会う人は、堪ったものではない。

 

 何故、ブレーキとアクセルを間違うのか?普通の何も病気が無いという人でも時たま軽い見当識障害を起こす。それは、何時も行っている動作で体が覚えていてしまうと、その体が動かなく頭で動作を起こそうとするとき発生する。右がブレーキ、左がアクセルという基本的な動作を頭の中の記憶では認識が曖昧になっているからである。

 既に体に染みついている動作は、咄嗟の行動の時、頭で考える前に勝手に反応する。スポーツでもそうだが、キーパーが一々相手の蹴ったボールの方向角度を頭の中で計算して体を動かしていたらボールは体の横をすり抜けた後反応してしまう。キーパーの動作は、練習による反復練習で、ボールの方向とスピードを視覚で捕えたと同時に決められた方向へ体を動かすようになっている。それはまさしく反射である。

 そういった反射的に行動を起こす動作に慣れてしまうと、その動作を考えて行おうとするとき右だったか左だった曖昧なまま反射を起こそうとする。するとブレーキとアクセルを踏み間違う事に成る。

 そして、老人がどうしてこのような事故を起こしやすくなるかと言えば、やはり体の反射神経が衰えてきているからである。更に悪いことに最近の車は、踏力が無い人でもブレーキやアクセルを踏み込めるようにパワーアシスト機能が付いている。昔ならそれなりの力を込めなければ踏み込めなかったアクセルも今では足を乗せ少し押しただけで加速してしまう。

 今後、老人の車の運転が減らないのなら、やはり老人が安全に運転できるような仕組みが必要になるだろう。急加速などはもっての他である。そして前方に障害物が有れば自動ブレーキがかかる仕組みは必須だろう。

 更にどうしても老人の運転する車は、のろのろ運転であるので、車体はコンパクトにし、後続車が簡単に追い越しを掛けれるようなサイズが良いだろう。できるなら老人の運転する車は、一人乗りのコンパクトカーに制限すべきだろう。