エジプト

 曇り、霧吹きで水を吹いているような霧雨が時折降る、湿度が非常に高い状態である。

引用 FNN(http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00251879.html

エジプトで14日、治安部隊が、モルシ前大統領の支持派による座り込みの強制排除に乗り出し、多数の死傷者が出ているもよう。

首都カイロでは、非常事態宣言とともに、日本時間15日朝から、夜間外出禁止令が発令されている。

市内の人通りはほとんどなく、まるでゴーストタウンのようになっている。

治安部隊は14日朝から、モルシ氏の支持派が座り込みを続けていた2カ所の広場の強制排除に乗り出した。

一方、モルシ氏の支持派は、各地で警察署などを襲撃するなど、激しい抵抗を続けたため、暫定政府は、1カ月間の「非常事態宣言」を発令した。

強制排除の開始からおよそ12時間、治安部隊は、2つの広場をほぼ完全に制圧した。

保健当局者は、これまでに全国で235人が死亡、2,001人が負傷したとする一方、モルシ氏の支持母体「ムスリム同胞団」は、2,000人以上が死亡したとしている。

数字に隔たりはあるものの、現地記者も取材中に、多くの遺体を目撃し、相当数の死傷者が出たとみられている。

また、この強制排除を取材中、イギリスの衛星テレビ「スカイニュース」のカメラマン、ミック・ディーンさんが銃撃されるなど、ジャーナリスト2人が死亡した。

これを受けて、エルバラダイ暫定副大統領が辞表を提出、アメリカのケリー国務長官は、「民主化を逆行させている」とするなど、国際社会からも強い批判が出ている。

 一昨年起きた「アラブの春」と呼ばれるアラブ諸国民主化運動の中で、エジプトは一時軍事独裁が終わり民主化が進む状態だったのだが、一転その動きが止りまた軍事独裁が始まろうとしているが、軍事独裁はきっと上手くいかないだろう。それは、自分たちが望む社会が来なければ政府を転覆することができるということを知ったからである。

 自分たちが望む政府は、きっとエジプトの中でも多様な考えがあると思う。それがこれまで上手く民主化へ向けての動きを軌道に乗せられなかった理由である。

 本来なら政府に対して革命を起こした民衆が纏まらなければならないのだが、目的は同じだったとしても、それ以後の展開について意見の相違が大きすぎたという事だろう。そしてその中に過激派と呼ばれるテロも辞さない集団が加わっていることも問題である。

 それが、政府側にとっても脅威であり、自分たちの生存が脅かされる状態であれば、武力行使もやむなしと考えるのもうなずける部分もある。

 そういった方法を取らざる負えない状態に、暫定政府側も追い込まれているという事だろう。その状態が長く続けばやがて泥沼の消耗戦が訪れることを誰もが薄々感じながらもどちらかがブレーキを踏まなければゲームが終わらないチキンレースを行っている状態なのである。

 つくづく日本は平和だと思うのはそういうところである。大きな意見の違いが有っても、それぞれが武力で解決しようとしない掟のような暗黙の了解がある。もし、国民が直ぐにでも武器が手に入るような状況なら、大きな事件が起きるだろうが、そういった気配も生じないような状態でここ何年も過ごしてきた。

 今後エジプトはどうなるか不明というしかない。エジプト文明という世界の文明の発祥の地でありながら、今まで民主化できなかったというのも何か大きな歴史的な背景があるのだろうと思う。それが一朝一夕で解決するとはとても思えない。