サッカー三昧

 曇り、気温は14度。

 土曜日にコンサドーレ、日曜日にはW杯とサッカー三昧な週末だった。

 コンサドーレと日本代表に通じるところは、守備意識と運動量が最後まで持たない所だろう。

 あのあたりの部分は、やはり選手の体力が90分持たないのと、時間配分を上手く使えない所だろう。

 コンサドーレは先制されて追いつかなければならない所で、前の選手がどうやって点を入れるか判らない状況に陥っていた。いくらゴール前でボールを保持してもシュートが打てない。打てたとしてもゴールの枠に入らない。それで無駄に走り回っていても体力が消耗していくばかりである。

 日本代表は、先制点を入れた後の攻勢時に得点を取りきれなかったのが全てだった。体力が落ちてからは相手の攻撃を抑えることはできずチャンスを多く作られ、そのため守備に走るのだが、前でチェイスした後、最後のDF力が無いため相手を抑えることもできない。

 前でプレッシャーを掛ける守備は、決まれば良いが抜かれるとゴール前までがら空き状態でスカスカになる。相手の守備の上下動が素早いのに対して日本代表はゴール前に戻ることが精一杯で、守備に回る体力を失っていた。

 攻撃だけでもダメだし守備だけでもダメであるという典型的な試合になってしまった。

 南アフリカの時だったら、先制した後、ゴール前を固めたはずである。それは勝負に拘る戦いを選択すると監督が決めたからである。そういった潔さが勝利のためには必要だった。

 しかし、このチームは守備に関しては極端に脆い。そこを相手につかれた感じである。

 後半長谷部選手を遠藤選手に替えたが、あれが日本の攻撃を活性させるための交代だったら良かったのだが、却って守備に回る時間が増えてしまった。

 選択肢は、長谷部選手に替えて今野選手という手もあった。それで選手たちに守備意識を持たせることも可能だった。結果論で言えば、監督の責任である。あくまで攻撃に手駒を変えながら結果を出せなかったからである。

 あるいは、本田選手を思い切って交代するべきだった。前半の早い段階から足が止まってしまっていて、後半も動けなかった。先制点は取ったが、体力的に無理が有った。やはり試合前から言われている病気の影響は大きい。イタリアでも45分で交代させられるのも体力が問題なのだろう。これも結果論だが、本田選手に代えて柿谷選手を入れるべきだったかもしれない。

 結果を知っていればどのようなことも言えるが、やはりギリシャ戦は、本田選手はジョーカー的後半投入というのが正しい選択が正しいように思う。本当は本田選手に大会MVPに成るような活躍をして欲しいのはやまやまだが、予選を勝ち上がるには、それも作戦の内である。

 もう予選では無く本番の戦いをしている中で恩情を挟んでも良い結果は産まない。それは勝負の世界の鉄則である。


 翻って札幌の財前監督、2年目を迎え選手の力量が判った状態で戦っているわけだが、やはり選手をどう動かすのか試合前に選手たちに与えられるかという所だろう。余りにも一つのセオリーに拘り過ぎて選手たちが何をすべきか判っていない。その中で選手の自主性を持たせた戦いを行っているのだが、ピッチの中に監督の作戦を指揮する副官がいない。

 それが監督の考えが選手に伝わらない状況である。河合選手がその役割を果たせればよいのだが、如何せん戦術を考えるタイプでは無い。それを小野選手に担わせたいのだろうが、果たしてそうなった場合、監督と選手のヒエラルキーがどう変化するのだろうか。

 それが上手く行けば行くほど監督の選手からの信頼は薄れる可能性が高い。もし監督の思いが強ければピッチ内の副官が阻害されていくだろう。そのバランスを上手く保って行けるだろうか?

 空中分解して入れ替え戦に回るという事だけは避けて欲しい。