食の安全

 雨、気温は20度。

引用 東京新聞http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014072301000751.html) 

上海の食品会社「上海福喜食品」が米ファストフード大手マクドナルドなどに使用期限切れの鶏肉を販売していた問題で、上海食品監督当局は23日までに、「チキンマックナゲット」や豚肉のハンバーグなどの加工品に問題があったと認定、関連商品約100トンを押収した。新華社が報じた

 この問題、どこまで広がっているか判らない。日本国内でも食品偽装問題などがあり、国産と表示しているものの本当は中国産ではないか疑ったりしており、買い物などの時は、必ず原産国の表示を見るのだが、加工食品などは、原産国の表示をしているメーカーとそうでないメーカーが存在しているため完全に中国産を避けることはできない。

 生鮮食料品などは、まだ原産国が曲りなりにも書いてあるから良い方だが、ファストフードや飲食店で使用している材料は、限りなくグレーである。

 今の時期、野菜などは豊富に出回っているので、それなりの安価な値段で出せると思われるが、冬など野菜が不足する時期でも、変わらない値段で出している所などは、非常に怪しく感じる。

 中国産全てが、このような杜撰な体制で作られているとは思わないが、今回の報道で問題となった工場は、一見近代的で立派な設備を使用しているので、如何にも衛生面で安心していられるように感じるが、その器とは別に、何か問題が起きれば会社や自分の職場を奪われるといった危機意識が足りないのだろう。

 そういった職場に対する帰属意識は希薄で、もし職を失ってもどこかで働けるだろうという意識、或いはこの生活を失っても失わなくてもこの底辺から抜け出せないという絶望感があるのだろうか?

 日本でも冷凍食品に農薬を混ぜた事件が有ったが、失うものが有ったとしても、それを失ったからどうしたという程度のものだとしたら刹那的に犯行に及ぶだろうことは想像に難くない。

 数日前のニュースで、北海道の最低賃金で働いた場合、生活保護の支給額より下だと報じられていた。更に言えば、生活保護は、住宅は補助が有り医療費は全額免除だったら生活保護の方が良い暮らしができると知ったら労働の意欲は低下してしまうだろう。

 やはり従業員のモラルを高めるには、ある程度十分な待遇を与えなければならないだろう。少なくとも生活保護で暮らすよりも上の生活が出来なければモラルの崩壊は防げない。

 中国も貧富の差と階級格差が広がっており、最底辺の待遇を受け入れる層は、富裕層の10倍以上存在するだろう。日本もそれは例外では無く、徐々に貧富の差が広がりつつあり。富める者は益々富、貧しいものは徐々に増えつつある現状をどうやって改善していくかに日本の将来が掛かっている。

 しかし、そういった関係は、格差社会が強まるにつれ特権階級と政治家の関係がより深まり、それは表裏一体といって良い状況に陥るのが常である。そしていつか社会は崩壊していく。

 中国が先に崩壊するように感じるが、権力が武力という後ろ盾を持っている限りそれは続いて行くだろうから、日本社会の崩壊の方が先に来る可能性もある。

 食の安全は、ある意味社会の安全の担保である。そこが信用を失えば、崩壊は加速すると言って良い。安倍政権もその辺りの危機管理は必要だと思う。