エボラの話題

 快晴、気温はマイナス3度。とうとうマイナスになってしまった。道路の銀杏並木の葉も、まだ黄色くなっていないのに落ち始めている。


引用 ロイター(http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0IA2PR20141022

国土安全保障省は21日、エボラ出血熱の国内への流入を阻止するため、西アフリカ3カ国(リベリアシエラレオネギニア)からの渡航者の入国窓口を5空港に限定すると発表した。22日から実施する。

 エボラの件、アメリカでは最初の患者に接触した人の感染の恐れが無く監視体制を解除したとのニュースが流れ、スペインでは陽性反応を示した看護師が快方に向かったというニュースが流れた。

 一時、世界の終りの予感もさせたが、どうにかそういった非常事態に成らなくて済みそうでほっとしている。ただし、無防備では、もし感染が拡大すれば相当な感染者が発生することが予想されるので、何らかの体制を備える必要がある。

 アメリカでも、漸くアフリカからの渡航者の監視が強化された。監視体制を薄く広くでは中々効果が得られにくいのは間違いないところであるので集約化は必要だろう。

 そういった体制が至急で取れない国は、一体どのように防疫体制を整えているか気に成るところで、特にアフリカ移民の多いEUの体制が気に成るところである。

 同様に日本の防疫体制はどうであるかというと、チェックは、各地の空港の入国管理所で発熱患者の自己申告でチェックするようになっている。

 自己申告制なので、何も申告しなければスルーされるわけである。

 スルーされもし国内で発症した場合、今ある45の指定医療機関に運ばれることになっているのだが、その体制はお粗末である。

 第一の問題は、発症した患者が発熱を理由に救急車の発動を要請した場合、救急隊員がその病気の原因までを知らされずに向かうところである。

 救急車を要請する際にそういった病気の疑いであると知らせて連絡をくれれば良いが、例えば街中で発症が原因で倒れた場合、周囲にいる人が何の原因で倒れたか知らないままに救急車を呼ぶ確率が高いからである。

 更に救急車が運んだ医療施設でも、その運ばれる先は一般の救急処置室であるから、エボラに対する備えは皆無だろう。またそういった場合の対応訓練もしていないだろう。

 そうすると街中で応急処置した人、救急隊員、医療施設とその患者に係った人は、2,30人に成るだろう。そこまでの行動を考えれば数百人程度の接触が考えられる。

 また、医療機関でもその感染の恐れを疑わないで治療にあたることに成り、その患者の情報からエボラが疑われれば保健所に連絡することになっているのでそれまで隔離して置く病室をどうするかまで決まっているわけでは無く、その間、医療機関の別の患者や職員と接触が起きている可能性もあるのである。

 もし、その医療機関で一人でもエボラ感染の疑いのある患者を1日でも入院させていれば間違いなくその医療機関は閉鎖することに成るだろう。

 そうして連絡の後、指定の医療機関に運ばれることに成る。更に言えば、その間に、患者に接触した可能性のある人間を特定し自宅待機させることになるのである。

 更に患者の移動経路を特定し、その経路を確認する際、公共交通機関が判ればその時周囲にいた恐れのある人間も監視の対象となるのであるから、その地域内の経済活動はストップする。

 もう一つの問題は、日本国内にある指定医療機関の受け入れ人数はどの程度かというとことである。上に書いたように、指定機関は、45しかなく、一つもない所も存在する。

 北海道では、市立札幌病院がその受け入れ施設であるが、エボラなどの感染症に対応するベットは2床しかない。その他の感染症用に6床あるがもしそれを使用したとしても8床である。

 もし、道内各地で感染者が発生した場合、普通の医療施設で引き受けなければならないが、その引き受ける場合を想定した防護用具は殆ど常備していない状態だろう。

 訓練や装備が無い所で患者の治療にあたるという事は、今の西アフリカと同じ状況に成るという事である。ただ西アフリカと違う所は、住民が協力的になってくれるところだろう。

 一番大きな懸念は、そういった準備に掛かりたいにも係らず、国会が機能していないことである。だらしのない政治家は言わずもがなだが、その問題に何時までも係ることで肝心な政策や議論がなされない所に問題がある。

 ある意味、国会議員を全て首にして、非常事態を宣言しなければならないだろう。早急な、対策準備に掛かることを願いたい。