新聞

 曇り、気温は3度。


 近所の新聞店が潰れ、近隣の販売所から配達されるようになり朝刊が今までは午前3時頃配達されていたものが午前6時頃に変わった。

 インターネットの影響で新聞が売れなくなったという話題のあと、各新聞社はライバル視していたネットで収益を得ようと舵を切り、新聞購読とセットでネットの会員ページを進めるようになった。

 ちょっと気に成ってネットで最近の新聞の販売数を調べていると2013年ごろから急カーブを描くように販売部数を減らしていることが判った。

 読売で1千万部弱だったものが今では900万部(公称)と10%程度も減少している。主要王手の朝日新聞も10%程度減少しており、部数を多く発行している新聞社の落ち込みが目立つ。

 公称というのは、新聞社が新聞を印刷している枚数で、実際販売する場合、無駄になる部分が多く、実売数はその3割減の部数とも言われ、戸別配達部数が減れば経営に影響されるのは言うまでない。


 それで、新聞契約の際に新聞店はおまけをつけるためその売り上げの一割程度は確実に下げているわけで、ネットの影響をもろにかぶり、今後も新聞社の経営は厳しいと言わざる負えない。

 更に報道の内容が、どうしても新聞社の方針というか色付けが有り、それを支持する人と支持しない人が出るため購読者層は別れる。

 以前なら、思想は違っていても両方を取り比べるという人もいただろうが、経費削減の意味から両方の新聞を取ることは減ってきた。

 余りにも一方に加担すると、自分の立ち位置が見えなくなるため両方の意見を知ることは大切な事である。インターネットなどは一見何でも情報が入りそうな気がするかもしれないが、そうでは無く自分で探さなければいけないもので、偏った意見のみを見てしまう可能性が高い。

 そういう意味で、意見の相違を比較し自分の意見を持つには新聞紙と言うのは重要な情報源と言える。

 しかし、新聞の売り上げが減り、新聞を読まない層はネットで情報を仕入れることが多くなり、更にネットの情報も新聞社の殆どが会員制になり簡単に情報に到達できなくなってきている。

 これだけ情報の渦の中に居ながら現代人は徐々に情報から隔絶されてきているといって良い。自分にとって歯触りの良い情報ばかり得る様に成り、お隣の国の教えられている歴史が間違っているという事を批判できなくなるだろう。

 昔、外国人が日本のことを「ゲイシャ、フジヤマ、ハラキリ」と認識していたように、正確な情報を伝えなければ嘘が本当の事に成る。

 今後、日本人は本当の情報が何なのか理解せずに生きていく時代に成るだろう。嘘やデマが混じった情報の中から如何に正しい情報を得ることは非常に難しい。