オリンピック

 曇り、気温は22度。今日は真夏日になるという予想である。


 今週末からオリンピックが開幕するが、今までと少し熱狂度合いが違う。一つは日本の裏側で大会が行われること、2つ目はブラジルの国民がオリンピック開催に不満を持っていること。3つ目は、ロシア選手の国ぐるみのドーピング問題である。

 3つ目のドーピングに関しては、以前から噂があり統一前の東ドイツルーマニアなどの東欧諸国で盛んにおこなわれていたことからロシアの前のソビエトの時代から国家主導で行われていたのだおると思う。それ以外でも個別の案件で追放になった選手も多く存在し、オリンピックは純粋な肉体の競技ではなく、意図的に人体を改造した改造人間が記録を目指す大会になっていた。今度のオリンピックでもドーピングに引っ掛かり追放される選手は必ずいると思われる。

 オリンピックが商業化し、出場選手が金メダルを獲得することで賞金やスポンサーを獲得するとなれば、あと一歩でメダルに届く状況であればそのあと一歩の大勢の選手の中で薬を多用して勝負をかける選手が当然存在するだろう。また、国を挙げてドーピングを行う場合国の威信が掛かっている。スポーツといえども覇権争いの一種という位置づけになる。

 商業化されたスポーツは、選手も金だがオリンピックの組織委員会の人間も金が悪を呼び寄せる典型である。金がある処にそういった輩が群がってくるのが社会原理でもある。

 更に今回のオリンピックは、そういった流れに沿った大会でもある。オリンピック開催国がそれによって得られる利益は、開催できる国力があると世界に広めることであったが、今は違う。オリンピックが先進国であらかた開催されてしまったためそれ以外の国で近年開かれるようになってきた。それに伴いオリンピックで巨額の赤字を抱えるわけには行かず、どうしても金がものをいうようになってきた。開催することで国内が不安定になるのなら開催しないという国も増え、どうしてもオリンピック委員会は、今までと同じように利益を上げる工夫をしなければならない。それには、参加国が増え、多くの国の人が競技を観戦してもらうしかなくなった。そのため、多少の不正は見逃すという姿勢になってしまった。

 オリンピックの表舞台は、あくまでも正々堂々と戦わなければならない。そこにスポーツマンシップという精神に則り、戦うことを誓い合い競技を行うのが筋だが、最近はスポーツマンシップというより、世界から超人をかき集め、出場する選手の能力を見せびらかすための組織になり果ててしまった。

 初心に帰ることはできなくても、やはり公明正大な精神をはっきして競技を行ってほしいものだ。