国境

 曇り、気温0度。

 どんよりした曇り空で落ち葉が半分くらい落ちてしまった並木道を歩くのは、気分が滅入る。更に寒さが厳しいとなれば尚更のこと。

 天気図を見れば、西の高気圧が徐々に近づいてきているが、これが北海道に北風をまたもや運んでくる。宗谷地方は、その風をもろに受けるため今週も雪になるだろう。更に、今週中はその寒い空気の塊が北海道の上空で上下するため寒い日、暖かい日が交互に来るような感じである。

昨日は、ゴルフで松山が優勝し、サッカーではPK戦までもつれ込みU-19がワールドユースで初優勝した。いうなれば日本が活躍した日だった。プレーしている選手は、余り日本のためとは考えていないだろうが、そのニュースを聞いたり見たりする人は、やはり日本、日本人というのを意識する。

 スポーツに国境は無いというオリンピックは、国というものを代表している。世界大会は常に国の代表が戦う。国籍が関係ないチーム同士が戦う大会は、ヨーロッパリーグくらいだろう。後、メジャーな大会で企業チーム、スポンサーがついたチームが戦うのは、有名なところではないだろう。

 国というアイデンティティを全く無視することは今後もないだろう。その国の中で争いがあったとしても俯瞰してみればそこにあるのは国境である。

 世界が一つになるとしたら、未知の生物いわゆる宇宙人の攻撃を受けた時くらいだろう。人間は、外敵と戦うという意識が生まれ持った本能に存在する。

 

 例えば住宅の隣同士でも敷地の境界が存在し、その境界の間でいざこざが起きる。何にでも境界があればそこは紛争の種になりうる。そうして小さな境界争いが存在してもその集団が大きくなれば、小さな境界争いは置いといてその上の段階で争うようになるのである。

 そうして規模が大きくなればなるほど集団の人数は多くなる。その中で小さなグループ間の争いは忘れられることになり外敵に対する団結は強くなる。

 小さな境界から国の境界まで、そのレベルごとに外敵というものが異なっており、その外敵が巨大であればあるほど小さなことは無視される。負けてしまえば、その小さな境界も失うことになるからである。

 もし、世界が一つにまとまるとしたら、月ぐらいの距離に宇宙人が存在するようになった時ぐらいだろう。それまでは、国という印は無くならないし、国対国の関係は消え去ることは無い。