対 金沢 J1昇格決定

 晴れ、気温はマイナス2度。

 昨日のドームの試合、結局4万人には届かず3万3千人の入場だった。殆どの入場者が前売りを購入したということである。当日は11頃ドームに到着したのだが、既に北口の入り口はドームを取り囲むような形に行列になっており、そのまま待機列に並ぶ位置が南口と同じくらいであったので南口の待機列に移動、それから並んで12時にはドームに入場できた。あれだけ並んでいたのにドーム内のコンコースは何時もの人であふれかえっていた光景ではなく、少し閑散としているくらいだった。

 席に着きまったりとしながら試合開始を待つ2時間、その間に徐々に人でドームが埋まり始め2階席まで人が入り始めると徐々に場は盛り上がってくる。

 そして選手入場の時に赤黒で色分けされたドームはきれいだった。その光景を見て選手たちが圧倒的に試合を支配するはずだった。しかし、ゲームは見事にそれを裏切る。

 ここからは、コンサドーレに対する批難的話になる。全試合で福森、ジュリーニョが出場停止で、更に内村を先発から外した時点で監督の気持ちは引き分け狙いで慎重に行こうと決まっていたのだろう。

 清水、松本が勝ったとしても引き分け以上でJ1昇格が決まるとしたら引き分け狙いも当然である。そういう立場に立たされた監督がとるべき行動として現役の監督なら8割くらいをそれを選択しただろう。何故なら、攻撃を仕掛けてカウンター一発で相手に負けて入れ替え戦に進むことを考えたら残りの2割の良いところを見せて勝ってやろうと思わないだろう。

 あくまで勝って勝利を選択する監督の1割5分は無能な監督であるかもしれないが、残り5分は勝利を手繰り寄せる有能な監督だと思う。

 観客の多くは、そういった勝ち方をする監督を見たかったのだと思う。引き分けで良しとする結果オーライの平凡な指揮官ではなく、百戦錬磨の達人の監督である。それを見事に裏切り平凡な監督の姿を見せてくれたのは、見ているほうとしては残念で仕方ない。

 試合の最後のほうでボール回しをしている姿を見て、W杯一次リーグでボール回しして引き分け以上で予選追加する日本代表を思い出した。引き分けで良いのだから無理するなとテレビの画面で思っている自分である。

 予選を戦うのならまだしも、この試合は、J1昇格後のチームを見据えた戦いであると同時に自分たちのチームのスポンサーを求める興業でもある。

 3万3千人の観客を集めてあのような試合を行うのは興業としては失敗である。サッカーがどれだけ面白いかを初見の人に教えることはできない試合だった。あの試合を画面で見ている人も面白いから今度は生で見に行こうとは思わない試合だった。

 例えば1-1で残り時間が短ければあの展開は許せると思う。得点シーンで一度感激を味わえたからである。しかし、得点も入らず後ろでボール回しをするくらいなら敵陣にボールを運び時間稼ぎをするくらいのエンタテイメントを見せることをして欲しかった。

 あれでは、J1をまともに戦えるはずはないだろうと思わせてしまっては来年につながらない。そういうものだと思う。何故なら来年J1で上位に食い込むには今の戦力ではまともに戦えるはずはないと見に来た多くの人が考えているからである。

 優勝の瞬間と同時に次の戦いが待っている。それは、監督、選手、サポーターも同じだと思う。あの試合を通しながら来年のJ1の舞台で戦う姿を見ているからである。すべてを変えていかなければ今のままでは来年の今頃最速で降格するコンサドーレの姿がちらつくからである。

 そういった思いも払拭するくらいな圧倒的な試合を見せてほしかった。