自動車産業

 曇り、気温はマイナス1度。昨日は予報通り夜に霙が降る天候だった。

 

 日本は世界に名だたる自動車生産国だが、その足元が揺らごうとしている。その原因の一つが少子高齢化社会を迎えるのと同時に若者の車離れが加速化しているからである。

 

 日本の人口密集地である大都市と呼ばれるところは北海道を除いて公共交通機関が発達しており街中では自動車を使わずとも移動手段がある。更に都会では駐車場が不足しており借りるとなれば毎月高額の支払いが必要である。車の維持費は相当な額となっている。そして、車の利用が必要な田舎では、車を使用する世代が高齢化しており更に今後も人口が増える見込みは無いというように、都会と田舎の車の需要と人の密度が反比例している。

 また、今後の自動車産業にとって脅威なのは、自動車専業メーカーが車を作るのではなく異業種の参入が増えてきそうだということである。エンジンを使った車作りはある程度の技術が無ければ大量生産をするのは難しい。それが今までの障壁だったのが、電気自動車の登場で一変した。所謂モーターさえあれば車が作れる環境が出てきた。更に、自動運転システムなどは、車の交通を制御する技術である。車を制御できるとなれば将来、個人が車を持つ時代が無くなる可能性が出てくる。

 

 自動車産業は日本の産業の柱であったが、今までの状況が徐々に変わろうとしている。物事のルールが変われば今まで隆盛を誇っていたものが優位性を失うという法則に自動車産業も逃れられないということである。

 自動車産業も今後自動運転を核とする社会交通の分野に踏み込んでいく必要性が出てきた。その一つが大都会での自動制御された交通システムだろう。安全で時間短縮が得られるシステムが稼働すれば今後それが主流になる。後は田舎や都市間の交通網を構築することで大きく車社会は変わっていくだろう。

 今まで車作りは自動車会社の独占だったが、ただ車を作るだけでは生き残ってはいけない。何かを今度は作り出さなければ誰かの下請けにならざる負えない。