対セレッソ大阪 3-3

 晴れ、気温はマイナス5度。大荒れで始まった3月の週末は、穏やかに始まった。


 昨日行われたJリーグの試合、コンサドーレは大阪でセレッソと対戦した。仕事を早めに切り上げ家に帰りDAZNで試合を見た。


 試合は、お互いイーブンに攻め合う形となった前半、試合を分けたのはやはりパスミスが多かったコンサドーレの方に原因があった。

 前に前に攻め上がる際、今季の札幌は前が5トップのようになり、後方ラインが手薄になる。その際の守備の約束事は、ボールに近い選手がボールホルダーにアタックするということなのだと思う。一応3バックで選手はスタートしているが、サイドの選手(主に福森選手)が上がると完全に最終ラインは2人か1人の場面が多くなる。そのカバーに中盤の宮澤選手と深井選手が縦横にフリーに動いてアタックを掛けるというのが基本なのだが、その危機察知能力が不足すれば当然危険な状況に陥る。

 しかし、セレッソの得点は1点目が、杉本選手の横に流れながらの動きに上手く突き切れずフリーにさせたことが失敗。あれは、誰かが体を寄せに行かなければならなかった。

 2点目は、前でパスミスからボールを奪われ数的不利になったところで柿谷選手と高木選手のコンビネーションでフリーにさせてしまった。そしてきちんと枠内にシュートを打たれた。

 その時点で、セレッソ側に心の隙が生まれた。その後セレッソは無理攻めをせずコンサドーレの出方を伺う守備寄りの時間帯になる。コンサドーレもその時間帯攻め上がるのだが、ゴール前でフリーになれず、得点源となるジェイ選手も位置取りが思うようにできていなかった。

 それでも、新加入の三好、駒井選手のドリブルは効いていた。相手がゴール前で苦労しているのが画面から伝わってきた。この2人の加入は大きい。特に三好選手は、直ぐにでも海外挑戦しそうな勢いがある。丁度、マリノスから川崎に移籍した斉藤学選手が愛媛でコンサドーレと対戦した時のキレキレのドリブルを思い出した。

 2点ビハインドで前半を終えると、後半開始から宮澤選手に変えて兵藤選手が交代で入る。前半、それ程悪くは見えなかったが、もしかすると守備だけではなく攻撃参加の少なさが監督に交代を考えさせたのかもしれない。監督は、前に勢いをつけて攻めることを優先するので、どうしても守備中心になる宮澤選手の動きが気になったのだろう。監督が好きなボランチは、浦和の阿部選手のような攻撃も守備もこなすタイプだからである。

 後半は、2点リードした余裕からかセレッソは守備的に入る。その際、杉本、柿谷両選手のツートップが守備をするのではなくソウザ選手のところが中心になる。その守備を交わすためにコンサドーレは速い縦パスを両サイドの相手の守備が手薄なところに出すようになる。そのためセレッソの高木、水沼選手がどうしても低いラインに留まることになる。

 更に、再三サイドで三好選手や駒井選手がドリブルで仕掛けるためにどうしても全体がゴール前に集まるようになりそこで空いた再度のスペースに福森選手が上がり攻撃参加をする。

 

 しかし、密集したゴール前では、ジェイ選手はフリーに相変わらずなれず徐々に相手のマークがいないところに動くためシュートを打てる選手が居なくなる。そこで膠着していたらコンサドーレは負けていただろう。

 ジェイ選手がゴール前を離れたことで相手のマークがずれてしまい、ゴール前にいたフリーのチャナティップ選手が頭で得点を決めるチャンスが生まれた。ゴール前にターゲットになるような選手が居ないための油断だろう。

 

 得点を決めたことで2-0は危険なスコアと思わせる雰囲気が出てきた。その後、積極的に攻めるコンサドーレの圧力の前にセレッソはドン引きになる。そして駒井選手が上げたボールを深井選手が頭で決め同点とする。

 

 同点後そのままの勢いでコンサドーレが攻め込むが、チャンスにボールを持っていた三好選手が転び相手にカウンターを決められて突き放されてしまう。これで試合は終わったと自分も思ったのだが、2点を取った勢いというか失うものが何もないという気持ちが勝ったのか、今度はCKから進藤選手が頭で決めて同点。

 前半は、これで負けてしまうかもと思わされたが最後の最後に追いつくことができた。その後もコンサドーレにゴールのチャンスがあったのに得点ならず。両チームの選手は最後の得点を得ようと走るが試合終了。

 負けていた試合から追いついて引き分けなら御の字である。逆に、勝っていながら引き分けたセレッソの方がダメージは大きい筈。

 来週は、ルヴァンカップで控えの選手が中心になって試合に出るだろうから都倉選手も出場の可能性が高い。これまでエースだったセンスがベンチというのも残念だが、今の選手の組み合わせでは、長身FW2人が試合に出るようなことはない。相手チームに合わせて組合せを変えたり戦い方を変えるということをしない監督だからW杯の中断期間まではこのまま行くのだろう。

 去年活躍した選手がベンチというのは、プロというスポーツの宿命である。選手たちに平等に出場時間が与えらることもない。試合に出るためには、監督の戦術にあった選手になるしかない。そこから外れてしまえば試合に出るには移籍するしかなくなる。

 今試合に出ていない選手たちが、試合に出られるよう。試合に出ている選手は、一分一秒でも長く試合に出続けられるよう努力して欲しい。

 Jリーグで上位に行こうと思えばそれは当たり前のことなのである。今までそういった状況が目立たなかったのは、勝ち続けることができなかったからである。