中国という巨象

 晴れ、気温はマイナス8度.真冬並みの気温になっている.これ程寒い12月はあまり記憶にない.

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 アメリカは中国の人権問題に矢継ぎ早に行動を起こしている.今の状況が米中の貿易対立があるために複雑化している構図だとしても素晴らしいと思う.

 

 翻って日本はどうかというと、常日頃人権問題にうるさい野党の議員があまり積極的に行動しないのが気に掛る.

 他国の人権問題よりは、「さくらを見る会」のことが最重要案件と考えており、何故か同時並行に行動できないようである.

 日本の国会議員の多くは中国に遠慮している.野党に限らず与党の国会議員の多くは、中国に制裁などを加えることに対して暗黙の了解事項が存在する.

 色々な問題がある中、周主席を国賓で迎え入れることが決まっており、それに向けて波風を立てないようにしているようだ.

 

 もう一つは、やはり中国国内に日本企業が多くの投資を行い日本経済の根元を抑えられていることにも原因がある.日本国内の空洞化が言われて久しいが、最初は安価な労働力を充てにして企業進出したのにも関わらず、いつの間にか支配されるような関係に変わったしまったのは未来予見性が無かったとしか言いようがない.

 

 確かにあの当時は、我先に中国に工場を移管していたが、その時にも日本国内には警告を発する意見があった.しかし、その警告に従わず我先に行動するのを援助していたのも日本政府である.その中国があっという間に強力な力を付け世界に脅威になることはその時から危険視されていたはずである.

 その時は、中国が経済的に発展すれば自然と国民は自由に目覚め緩やかに自由主義国家に変貌するという甘い見通しだった.しかし、実際は国の発展とともに中国共産党も力を得て益々国内の締め付けが強くなった.

 中国国民も経済的に豊かになることで共産党に対する不平不満を持ちにくくなったことも共産党独裁に対して意を称えない環境になっているのだろう.

 

 今後、中国が自由主義国家になることはこの先当分無いと断言できる.アメリカの今回の行動も焼け石に水という感じで根本的な解決にはつながらないだろう.何故かというと中国の経済力に首根っこを押さえられた自由主義を標榜する国が多すぎることである.その代表が日本ともいえる.

 

 最初は自分たちが利用していると思っていたはずなのにいつの間にかその立場が逆転することは今までの歴史でも良くあることで、その不利な体勢を打破するために戦争が起こってきた.その戦争の勝者が相手を押さえつける権利を持っていたのだが、残念ながら今の中国は昔のような最弱の軍隊ではない.戦争が一たび起きれば地球が滅びる可能性もある.そういう状況である.