口は禍の元

 曇り、気温はマイナス4度.寒さも和らいできた感がある.日中はプラス気温になるようなので、寒さと暖かさの鬩ぎあいがこれから続くことになる.どちらかが優勢になればその日の気温が決まる.

 

 前回も書いたが、東京オリンピック組織委員会の森会長が辞任する方向になるようだ.IOCも最初不問にする意向だったようだが、お膝元の日本からの情報発信が全世界に駆け巡ったことによる非難が多くなったことから、手のひらを返したというところだろう.

 森さんから川淵さんというニュースが流れた途端、今度は川淵さんへの非難が始まった.これはTwitterでの反応なのだが、そういった投稿を見る必要が無いのだが、怖いもの見たさでつい見てしまう.

 しかし、今回の騒動で思うのは、何かを破壊しようとす力である.その圧力は誰かが火を付け誰かが油を注ぎそれを盛大に炎上させる.その火に油を注ぐ役割をマスコミが行っているということである.

 その油の注ぎ方は、今の出来事ではなく過去の出来事までほじくり出し、人格批判を行うような記事を次々と出してくることである.それに乗っかりテレビ局も喚きたてる.彼らにとって傷つける対象は、限られている.まさしく身近な利害関係者は叩かない.更に外国については政治問題になるため余程の事が無い限り叩かない.そういった不文律がある.そこには厳然としたルールが存在する.たまにそれに逆らって立ち向かうこともあるがあっという間にしりすぼみになる.香港問題がまさしくその事実である.

 彼らにとっての唯一のルールは、注目を集めることである.どんな些細なことでも火の手が上がれば取りあえず記事にして様子を見、注目を集めているのならそれに燃料を注ぐ、燃え広がればもう広がるほどそれに関するニュースを流せばしばらくは安泰だからである.

 だから、ニュースの火消しをするのなら、圧力団体があればそれを使う.スポンサー関係者がいればその圧力を使う.或いは抗議活動をするなどの実働部隊がいれば、常に抗議活動を行っており、日ごろから扱いにくい相手だと思わせておくのも効果的である.或いは、外国なら常に抗議をされる存在には弱い.政治的な色を付けられるのをマスコミは嫌う.中立中正なのがマスコミの使命とうたっているために完全に色がついてしまえばそちら方面でしか需要が無くなるため色を付けられるを嫌う.

 政治的な圧力は、使いどころを間違えれば彼らに反撃の手段を与えてしまうために慎重に扱う必要がある.まさしく半沢的反抗にあう.

 

 SNSがこれだけ世の中に広まると、マスコミ以外にSNSからの発信にも気を付ける必要が出てきた.これをあからさまに利用しようとする勢力が存在する.SNSだけにどこを抑えれば良いか不明で圧力の掛けようがない.ただ、SNSで何かを争点化しようと行動するグループは決まっているため徐々にそういった仕掛人の存在が垣間見えるようになり、SNS界隈からうさん臭い存在だと見透かされるようになってくる.その辺りの裏で蠢く存在があると支持は広まらなくなる.

 森さんの場合、過去の失言がほじくり出され、女性差別者だとのレッテルを貼られたのが敗因だろう.本人はそう自覚していなくともそういった発言が過去に有った事実が今回もそうだと思われてしまった.口は災いの元という言葉があるように権力を持てば持つほど衆目を集めるもので、その言葉を見聞きする機会が増えてくるという自覚が必要だった.