アナログの時代は懐かしむだけ

 晴れ、気温は3度.予報通りプラスの気温で朝を迎えた.日中は10度以上になるとのことである.一時の春がやってきたというところか.

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 最近こういったニュース元が多い.テレビ番組でタレントが喋った言葉を引用することで自分たちの主張をしたい.もし非難を受けても自分たちが発現したのではなくタレントが言った言葉と責任逃れをしたい気持ちがありありである.

 タレントの言った言葉を記事にするのなら、きちんと記事の最後に自分もそう思いますと締めくくるべきだと思う.

 既に新聞社の記者の書く記事としてのプライドを捨てているとしか思えない.こういったテレビで言ったの引用で多いのが、テレ朝のワイドショーで話題になる玉川氏の発言である.彼の言葉を引用するのなら、その記事を載せている記者はそれを支持している支持していないを明らかにすべきだ.

 もう一つ、以前から話題のTwitterやその他のSNSからの伝聞で作られたニュースである.何の取材もせずにTwitterで話題とかSNSで話題と記事にしているのがまるわかりなのは頂けない.本当に話題になっているのか不確かなうえにその記事を切っ掛けにバズればそれに便乗しようという底の浅はかさが透けて見える.

 確かにSNSの発達で新聞、週刊誌の売り上げが落ち取材費の切り詰めや切り捨てが増えていることはニュースにもなっている.更に新聞社も記者のリストラが始まっていると聞く.それだけ台所事情が厳しいのに毎朝発行する新聞紙の隙間を埋めるために何か記事を作らなければならないのはよくわかる.

 毎日自分たちで取材して記事にできるのは余程恵まれた環境に居る人で、ニュースのネタをSNSから探してくる記者も当然多くなるだろう.そういった苦境は理解できる.それでも上にあげたようにSNSから拾ってきたネタであっても自分の意見あるいはマスコミとしての意見があるはずでそれは主張して欲しいと思う.ただそうやって話題を拾ってもSNSとの差別化はできないと思う.

 最近、GAFAの一部がニュースにお金を払う契約を結ぶことが報じられてきている.ネットニュースで見出しを引用されているだけでは収入が無く、更に有料記事に活路を見出そうとしたが、お金を払う人が少なければ利益を得にくい.そこにニュースを払ってくれる会社が現れれば大歓迎だろう.

 しかし、それを歓迎してばかりではいられない.読まれるニュースを発信しなければならないし、読まれる回数が減ればそれだけ支払いも減額されていくだろう.しまいには、そういった巨大企業の下請けになる未来が垣間見える.そこに勇気を持って飛び込むか、意地でも独立してニュースを発信していくか選択することになるだろう.

 アナログ時代のマスコミが時代を謳歌できたのは、ライブドアニッポン放送を乗っ取ろうとした時までだったのだろう.あの時、マスコミはネットに対して悲観的だった.まだ活字や放送に対してプライドがあった時代である.それ以降時代の波に押され続け、この先の10年で今いるアナログ世代が懐かしむ仕組みは大部分が消え去ってしまうのだろう.