正義の基準

 曇り、気温は18度.日差しが無いので寒さを感じる.

 

news.yahoo.co.jp

 何が何でも反対というのは頂けないと思うこの頃である.確かに感染の危険は常にある.だからといって人間の生活を維持するために外出しなければならないし、そういった行動を取れば自然と人が集まる場所が増えてくる.人間が多く住むところは常に人が密になる可能性が高い.

 

 今回、科学的分析で観客を入れたとしても感染の危険性は大きくならないとの結果が出ても、そこにたどり着くまでの交通機関で密になると宣うが、東京の朝の通勤電車の密度から言えば既に社会的実験を行っていると言って良い.オリンピック観戦で交通機関の乗車人数が増えたとしてどれほどの感染率が上がるというのだろう.

 

 科学的根拠を示せと反対論者は言うが、安全を100%保証するというなら本当に人間と人間の接触を無くすしかない.それが安全というなら社会は維持できないのは反対論者も分かっているはずである.オリンピック反対の声を上げる集団行動は果たして感染の機会を増やしていないと言えるか証明せよと言ったとしても聞く耳を持つことは無い.

 

 今回のオリンピックの観客数については、プロパガンダの争いである.どんなに正論を言ったとしても声の大きいほうが勝つ戦いである.その一つの原因はマスコミは争いの大きいほうに報道を集中する.それが過激であれば過激で有るほど取材対象とする.真面目な意見は面白くないとばかりに扱いは小さい.トンデモな意見程こんな人がいるとわざわざ記事にしてくれるからである.

 

旭医大取材の本紙記者逮捕 社内調査報告:北海道新聞 どうしん電子版

旭川医科大学への取材中に社員が逮捕された件で調査報告が朝刊で記事になっていた.

 

北海道新聞の行動指針は以下の通り.

1.会議が行われている場所は校内で有り外部からの立ち入りが感染予防の為に立ち入りを禁じられていたが、日頃立入禁止の要請があっても自由に立ち入っていたので今回も無視して良いと判断した.

2.逮捕された記者は新人であるため親人教育の一環として立入禁止区域に立ち入らせた.その際の指示は特になく先輩の体験談を元に新人記者が判断し会議室のドア付近で音声を録音した.新人は自己判断で会社の行動指針を無視して録音した.

3.対策は取る.しかし、国民の知る権利は今後も追及する.今回の大学側の情報制限は遺憾である.

 

 ここで思うのは、大学学長の辞任問題が過剰な取材を許すほど大きな問題ではないのではないか.学校教育が行われている同一空間で行われる取材は学生の学ぶ権利を侵害していると思うのだが.それよりも大切な情報がこの会議で話し合われているようには思えない.

 

 確かに国民の知る権利を補てんする形で新聞という存在がある.誰かがそれを取材してニュースにしなければ誰も内情を知らずに終わってしまう.その点で新聞社の役割は大きい.

 だからといって常日頃国民の権利をうたう職種である.その意味で知る権利が全ての国民の権利を上回るものではない.どこかで線引きが必要である.

 本当に知りたいということは毎日起こる.しかし、その知りたいものが100%知ることはできないのが現実である.或いは、その取材をすることで多くの関係者が影響を受けていることも多々ある.ペンは正義の剣となるならその正義の基準がブレることの無いように努めて欲しい.