大谷選手、藤井2冠その後

 曇り、気温は18度.日中30度を超すかもしれないと言っているがそんな状況になるような感じがしない朝である.

 

 昨日は、大リーグオールスターで大谷選手が二刀流を披露した.161kmの球をなげた後、打席に立ちホームランを打つ気満々だったが、それが実現するほど現実は甘くなく、2ゴロで倒れるという感じだった.

 架空のストーリーならここで3者3振に抑えホームランをぶっ放す展開になるのだが、そこまではいかなかった.大リーグの関係者は大いにそれを期待しただろうが、相手をする方にしてはそれを許せば屈辱の何物でもない.3振しまい、打ちとってやろうという流れになるのが普通である.日本国内でその映像を見ていた人たちは、少し期待外れの放送だったに違いない.

 

 そして、藤井2冠である.2日目開始から苦しい将棋が続き、豊島2冠の老獪な攻めに苦戦した.残り時間が2倍くらいに開いてこれは苦しいだろうと誰もが思っていたに違いない.

 しかし、そこでドラマが生まれる.藤井2冠が苦しんでいたように相手の豊島2冠も同じように指し手に悩んでいた.ここで一気に攻めれば勝ちに届くというところで自玉の囲いを選んでしまった.盤石にして勝ち切る考えで差した手でその先に詰みが待っているとは予想していなかったに違いない.最終的に詰めろの状態で相手に詰められる、見ている方は、豊島2冠が土俵際でうっちゃられる姿を見た感じである.

 Abemaでは、映像の段階でAIで勝勢判断を表示する.だから見ている方はどちらが優勢か簡単に知ることができる.更に次の最善手を表示するのだから、ある意味AIの手を読み切った人間が勝利する場面を見ている感じになる.だから何故最善手を打たなかったのかが見ている方の感覚になる.

 大盤解説もAIの形成判断と読み筋を元に解説するのだから、人間がAIの中で競っているのでしかなくなる.既にAIの読み筋は人間を凌駕している.解説者が次の一手を読んでも戦っている2人よりも素晴らしい知恵が出てくることはないのだから始末に悪い.

 今回の藤井2冠の読み筋は、中々AIと一致しなかった.何時もならもっと一致しているはずなのだが、そうではなかった.ある意味豊島2冠と戦う時の藤井2冠は、人間味が増すのかもしれない.

 これで1勝1敗のタイになり、残りは5番勝負となりどちらが3つ勝てば決着が付く戦いとなった.この先、豊島2冠とは、これからも豊島2冠が持つ叡王戦が控えており王位戦の合間に戦うことになる.更に竜王戦も挑戦者になる可能性があり.今年の後半は、豊島2冠との戦いが続いていく.