泊原発運転差し止め判決に思う

 曇り、気温は11度.昨日から降り始めた雨は漸く止んだ.量としてはたいしたことが無いが冷たい風も運んできたため春先に逆戻りした感じである.これから暑い日寒い日が繰り返して短い夏を迎えるわけで季節は移り変わっていくのは早い.

 

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 札幌地裁で泊原発の運転差し止めの判決が出た.実際のところ今は泊原発は休止中で運転開始は、国の機関である原発規制員会の審査が終わらなければ稼働はしない.

 この件で思うのはやはり北海道電力原発に対する考え方である.そこにあるのは国の方針に沿って稼働するという親方日の丸的な考えが根底にあり、国民への安定供給のために原子力発電は必要であるという意気込みが必要だろう.

 その点で言えば東京電力福島原発の事故が返す返す無ければこういった事態にも陥らなかったわけである.そういう意味でその時間の経過が北電内から専門の原子力関係の技術者がいなくなりそれと共に原子力発電を知らない世代が増えている結果だと思う.

 

 世界は別な意味で原子力発電を巡って動いている.一つは核融合などの研究である.もう一つは小型原子炉の開発、そして最後の一つは核兵器を開発する目的である.

 

 地球温暖化に向けた対応としてCO2を発生しない原子力発電は魅力である.他の石油、石炭、天然ガスなどは消費する際にもCO2を含む温室効果ガスを発生させるが、それを採掘する際にも温室効果ガスを発生させる.太陽、風力、水力は安定的な供給に未だ難がある状態でそれをコントロールするための技術がまだ途上である.何時かは自然エネルギーが大半を占めるだろうが、それまでの間のつなぎとして近々に利用できるのは原子力発電だけである.

 

 日本が世界に温室効果ガスの削減を示せるのは原子力発電を効率的に使うしかないのである.そのために安全施策は必要でありそれを開発していく努力を続けていくしかない.既に終わったエネルギーとしてではなく日本だからできる安全な原子力発電の仕組みを築いていくチャンスだともいえる.