無責任

 晴れ、気温はマイナス16度.今日も冷え込みが強い.それでも風が無いだけましである.

 

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 このニュース、道内では昨日から報じられているものである.障がい者同士の結婚、そして子育てという問題をこの一施設が決められるわけでもなく、どこにも相談せずに自分達のローカルルールとして決めたのだと思う.この施設だけで決めてしまえば結婚後できた子供の世話は誰がするのかという問題をはらんでおり、子供は預かれないので子供を作らないと誓約してくれということになった模様である.

 この施設の理事長が会見をしていたが、自分達の決めたことが何が悪いという意志が前面に出ていて少し悪印象になる.新聞記事では識者の意見として自由を制限してはならないと強調していた.

 しかし、実際問題そういった社会の仕組みが前程として無いため非常に難しい問題である.正論は正しいのだが実際に実施しようと思えば子供ができることを前提に施設を運用しなければならずその辺りを準備していない現状ではこの施設が担うにはハードルが高いし、そもそもこの施設にその意欲は無い.

 これを報じるテレビ、新聞などは問題として報じ、結論は道や国の速やかな対応ということで終わりとなっている.

 障がいを持つ人たちの結婚では、健常者よりも社会的環境に対応する困難さがある.当然その困難さが生まれない社会で有ればこのような問題は生まれてこないはずなのにとは思うが、それは現実と乖離しており、健常者でも子育てに苦労する人たちが存在している中で大きな問題が出ることだろう.

 今既に少子化社会を迎えており国は懸命に子育て世代を応援しようとしている.なのにも関わらず子供の命を全てで守ることは出来ていない.望まない子供だということで月に何件か必ず子供の命が失われるニュースが流れてくる.一層の事、子供を育てられないで環境にある子供は国の施設で預かる仕組みにしたらどうかと思うが、それも法律の壁ということで中々上手く行ってはいない.子供を育てる権利というものがあり、その中で育て方の自由が認められている中で半強制的に子供を預かることができない今、今回の件で子供を自分達で育てたいと主張した時どう対応するのか判らない.

 人間生まれながらにして平等というのなら、生まれ育つ環境も平等でなければならないが、生まれて育つ家庭環境に大きな差があることを解消するのも子供の権利と言える.その辺りのことを考えなければならないし、それに向けて行動することが必要である.

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 このニュースだが、難しい問題に対して報道する側の姿勢が問われている.その点で言えばこれを作った側は、避妊処置を行うのは悪だという視点で作られ、当然それを実行する側は悪人である.そういう作り方をしていないか制作側に問いたい.もう一つニュース後半で出てくる障がい者カップルに対するインタビューの中で質問する記者の子供に質問するような物言いは不遜な印象を受ける.もう少し中立の立場に立った報道制作が必要ではないかと感想を持った.このニュース切り取り方では善意を持つ発言も曲解される可能性がある.

 

 この問題は一筋縄ではいかないと思う.更に言えば既にこれは公的機関の対応という思考停止状態になってしまう.当事者ではない無責任さというべきものである.ある意味そればかりであることに気付かされるニュースでもある.