高齢者の医療費負担増による影響

来月10月から、高齢者の医療負担が変わる。
 
 75歳以上の高齢者のうち、ある一定以上の所得が有る場合(現役並みの所得という)の方は、医療機関の窓口負担が2割から3割負担に変わる。

 ※詳しい内容は、各都道府県または市町村のホームページにお知らせとして記載されています。

 この改正は、医療費の増大に伴う赤字額を減らすための試みである。確かに現役並みの所得があり、殆ど医療機関に掛からない人に対して現役のサラリーマン並みの負担をしていただくのは間違っていない。

 しかし、この改正により、外来患者が減り、多くの病院が廃院或いは他病院に吸収されていくことになる。国が計画する、ベット数の削減のもくろみ通りに進むことになる。

 では今後、病院の消滅に伴い、仕事にあぶれてしまう医療関係者の働き口の確保はどのように考えているのだろう。医師や看護師は、今後も需要が見込まれるため、それ程働き口に困らないだろうが、病院事務員、コメディカルの多くの職種は、やや過剰気味になってきているため、簡単に就職先を決める事はできないだろう。

 民間の病院は、生き残りをかけてコストダウンの努力を行っている。それを行わなければ病院が潰れてしまうからである。それに合わせ、医療材料、医薬品などの納入価の削減を行っているがそれも一定の限度がある。
 
 そこで、医療材料のうち高額なもの、例えば、ペースメーカーや血管拡張用のカテーテル、ステントなどの値段を国が下げる努力をすべき時に来ているのではないかと感じる。

 上記に上げた医療材料の、国産品の占める割合は非常に少なく殆どが外国製品である。この分野に国内の会社が進出できない理由として、技術の蓄積が無い点、国内で医療材料として承認されるためには、多くのコストと承認に年数が掛かることがある。

 承認にいたっては、認可が下りるまで5年ほど掛かり、その間に外国製品は、より機能の向上した製品になっている場合がある。そうなれば、機能が向上した製品を使うことが多くなるのは当然ことである。

 こういったさまざまな問題があるが、 なるべく、老人が受診しやすい環境を維持しながら、医療費の削減を目指して欲しい。