高齢者の運転

 雨、気温は7度。これからしばらくはこのまま気温が下がり続けていくことになる。峠では雪という放送があったが、それが平地に近付くのはもう少しである。

引用 苫小牧民報(https://www.tomamin.co.jp/news/main/12353/) 

10日午後10時20分ごろ、白老町若草町2のJR室蘭線小沼線通り踏切付近の線路で乗用車が立ち往生しているのを通行人が見つけ、110番通報した。JR北海道によると、踏切から約600メートル手前の白老駅で貨物列車が緊急停止したほか、普通列車1本が運休し、特急列車など3本に最大約3時間の遅れが出た。

 高齢者の運転による線路内の走行、こういったことは日常的に起こるようになってきている。これまで、ブレーキとアクセルの踏み間違いでコンビニに突っ込んだり、歩道を暴走したりという事故が起き始めた時、何で踏み間違えるのとバカにしていたが、人間の思い込みによる誤操作は常にあることを自分もやってしまった。

 その時の動作は、車を車庫に入れるために一端パーキングに入れるのだが、ブレーキを踏んでいるため車が止まっているためそのままギアをバックに入れたままドアを開けて降りてしまった。車を降りているのでアクセルを踏んでいない状況なので車はゆっくり後退するだけなのだが、間違いに気付いて降りたままアクセルに足を掛けて踏んでしまったのである。

 普通ならその時点で車は暴走するはずだったが、幸いなことに車に急発進防止機能が付いていたので大事にならずに済んだわけである。

 間違いに気付いて咄嗟に取った行動が、的確ではない状況は人間にはたまにある。いわゆる勘違いとパニックによる誤操作である。その辺りは、本当に人間は精神的に弱い動物であるという証である。

 その時折外れる脳内ブレーキが、徐々に回数が増えてくると老化ということになる。更にそれに輪を掛けるのが認知症と呼ばれる病気である。

 高齢化が進むにつれ高齢者の何割かは、必ず認知症になる。これは脳細胞が生まれ変わらないからである。もし障害を受けても脳細胞が再生するなら認知症は起きないかもしれないが、脳細胞が生まれ変わるということは、その時にそれまでの記憶も失ってしまう結果となる。だから脳細胞は再生しないようにできているのだろう。

 話はそれてしまうが、脳細胞が老化する現象は年齢が高くなれば必然と起こり、人間が平均寿命を迎えるころは概ね認知症の傾向が生まれている訳で、その人たちも車の運転をしているということが恐ろしいことなのである。

 何故、高齢者が運転しなければならない状況があるかといえば、やはり移動するための足が無いということである。自転車に乗れる体力があれば問題ないが、自転車に乗る体力もなく徒歩で長距離を歩くことが出来なければどうしても自動車を利用する。

 バスやタクシーを使えばと思うだろうが、バスは本数が少なく、タクシーもそれ程走っていない地域では、生活の足は度しても自家用車となるのが普通である。

 

 更に高齢者の多くが核家族の進行で、老夫婦2人とか独居老人とかの世代が増え、代わりに買い物に行ってくれるあるいは連れて行ってくれる人が存在しなくなる。そんな時代なのである。

 この先も、今回のような高齢者の間違い運転は増えることは確実である。今のところ自動車免許に年齢制限はないし、免許更新すれば多くの高齢者(71歳以上)ドライバーは3年の猶予を貰う。次の更新までの間に認知症が進んでもスルーされる。

 高齢化社会が進むとそういった人が運転する割合がどんどん増えていくのは間違いない。高齢者が気楽に移動できる交通手段が必要な時代がやって来るのは間違いない。そこに出てくるのはやはり高齢者向けの自動運転カーを用いた乗り合いバスのようなものではないかと思う。