夏休み

 曇り空。しかし雲が薄いため太陽の光が通り外は比較的明るい。風も無く過ごしやすい朝である。本州は既に30度を超える日が続いているようだが、北海道はまだまだである。そのため20度後半になると既にぐったりとする道民が多いようだ。

 7月に入ると、既に夏休みの時期である。子供の頃は、夏休みが来るのを指折り数えて待っていた。受験競争もあったが、まだまだ都会の話で、田舎の学校には塾に通う子も少なかった。

 そのため学校全体がのんびりしていたと思う。それは教師にも言えることで、とに角のんびりしていた。

 夏休みと言えば、日記帳、課題、自由研究と、色々なものが宿題として渡された。あれは嫌なものだった。あれが無ければ夏休み怠けると信じていた大人の言い訳だと思う。

 

 夏と言えば、水泳なのだが、生れたところは内陸部で、海は小学6年生のときの海浜学習で初めて見たという土地柄で、更に学校にプールなどと言うものも中学の頃になって初めてその地域に出来た位であった。

 そのため、泳ぎと言えばもっぱら川であった。川の水は非常に冷たく3分も入っていれば充分に体が冷え切る状態で、入っては上がり入っては上がりを繰り返していた。更に川底は非常に浅いため泳ぎの練習などしようものなら川底の石でひざをすりむいてしまう状態だった。

 小学校の高学年のころ、川の中をブルトーザーでさらいプールみたいなものを作り体育の授業を行ったが、それも一雨降れば、増水した川の流れで押し流されてしまうようなものだった。

 あとやはり夏休みと言えばラジオ体操だったが、いつの間にか無くなってしまった。あの頃は朝早く出てくる人が居なかったのかもしれない。

 こうして書いていても、記憶が曖昧になり何時の日の出来事かあやふやになってしまう。更に思い出せる記憶は徐々に少なくなってきている事に気付く。後10年もしたらどの程度覚えているのだろう。失われた記憶はもう戻ってこない。