午前中に雨が降ったが、試合開始前には雨は上がり、秋にふさわしい天候となった。時折雲が日差しを遮りひんやりした空気になるが、日が差せば汗ばむほど、見ているほうも上着を羽織ったり脱いだりと忙しい。
試合は、札幌の攻勢で始まった。しかし、何時もの通り肝心なところでパスミス、更にフィニッシュの精度が悪いというどこかで見た試合であった。
札幌に劣らず相手の鳥栖も同じようにパスミスを繰り返し、まるで試合は、小学生のサッカー試合のようである。技術的には、それはプロ選手であるから無いわけではない。無いのは個々の呼吸を感じる意識だろう。
選手個々の技術をこれ以上向上させることは不可能だろう。出来るのは、選手個々の意思疎通とチームとしてどのように動くことが得点につながり、相手の攻撃を跳ね返すかというコンセプトだと思う。
しかし、その選手間の阿吽の呼吸のようなものが何時まで経っても札幌には出てこない。これは一体どこに問題があるのだろうか?問題を解決する能力の欠如は見ているほうでも痛いほど感じる。
現場で指導している監督やコーチは、そのくらいヒシヒシと感じているはずであると思うのだが、どうなのだろう。幾ら普段仲良く行動していても、試合中の連携とは異なる。
今日の試合、肝心なところでずれる。それは、リズムの乱れである。自分がこのタイミングで出ると思ったボールが早かったり遅かったりすれば当然パスミスとなる。
技術がある選手ならそれも予想の範囲内で行動に移せるだろう。しかし、札幌の選手はメッシではない。必ずミスをする。
偶然に近い確率でパスがつながれば必ず得点に結びつくことは前の試合で選手たちは判っているはずである。
何ていうことを、今年は何回書いただろう。そしてシーズンが終わりに近づくこの時期に来てもなお同じ事を何回も書いてもチームが変わる気配は無いのは当然である。
自分がこんなことを書いたとしても選手に通ずるはずはない。
試合は、後半、風に影響された藤山選手ごめんなさい吉弘選手がボールを後ろにそらし相手に回りこまれたところをペナルティエリア内で倒してしまいPKを与える。それを綺麗に決められ試合終了。
あれは無理してとは思うが、その事を言っても仕方がない。負けは負け。
得点を入れられた後、懸命に声援するサポーターと比べ、試合をしている選手たちが残り時間にあきらめて下を見ている選手たちが居るのが遠くから見ても判るのはいただけない。
それが、このチームの弱いところ。同点にしようと声を出す選手も見当たらない。若い頃の中山選手がこのフィールド内に居れば違っただろうが、今札幌に最後まで得点を入れることを信じられる選手は居ない。