スポーツのマーケティング

 晴れ、朝の7時には既に日が高く昇り、もう冬を感じさせない。残雪だけが冬の残りを漂わせているだけである。

 来週はもう4月である。新社会人が入社してくる時期となった。もう新社会人という意識は既に過去になってしまった。

 31日は、ドームにコンサドーレ札幌の試合を見に行く予定である。今年初観戦となる予定である。相手はガンバ大阪なので相当の観客が来ると予想している。もしそれでも入場者数が1万人程度なら今年の集客は厳しい。

 昨日はプロ野球の開幕が有ったらしい。新聞は日ハムの大谷君の話題で一杯である。日ハムも毎年、話題の選手を持ってくるのが上手い。本来なら高卒ルーキーという事で、開幕に出番など無い筈だが、ダルビッシュ中田翔、斉藤、大谷と話題の選手を作り上げるのが上手い。

 そういった話題にマスコミが乗って来ることも知っている。そういったマーケティング能力は確かである。糸井を簡単にオリックスに手放したのも、集客力と今後の大リーグ移籍、他の選手への影響を考え簡単に手放すのも、まさしく勝利を目指して実力主義が第一という会社では無い。本当に興業が優先という会社である。

 その中で、周りのマスコミが一緒に踊ってくれるその阿吽の呼吸がある。例えば日ハムが一生懸命踊っても、周りがついてこなければ話題は一過性のものになってしまう。そうならないように、手綱を上手く引いて操っている。

 それが、大リーグへ行ったダルビッシュの話題が過去のものに成り、糸井の移籍も普通なら同情論で日ハムが非難される時もあったが、マスコミが主導して仕方ないという雰囲気に持っていった点もその阿吽の呼吸の一つだろう。

 今の道内のマスコミは、日ハム人気が下がるのを非常に恐れている。それは、重要なコンテンツが失われるのを怖れているからである。そのため、日ハムの影の部分は極力表に出さないようにしているのが傍から見ても良く判る。

 

 それは、日ハムが裏で手をまわしているというわけでは無く、長い物には巻かれよという関係でしかない。それは、今のAKBと同じである。人気のコンテンツは大事に長く使いたい。そして使い古せば否応なく叩くし、その後の事は面倒見ないという芸能界と同じである。

 

 そういえば、ゴルフの石川遼君も最近、めっきり露出が減った。活躍していないというだけの理由だが、本当に活躍しなければ、このまま消えて行きそうな勢いである。ただ彼は若いので挽回は効くだろうが、このまま日本に帰ってきても超一流からただの一流になってしまうだろう。

 そういった、人を相手にして何らかの報酬を得ようとするなら、その人気の維持は、本当に難しい。実力プラス何かをずっと維持していかなければならない。

 そのなにかも、ヒーローの位置とヒールの位置と二通りあり更に、状況に応じて使いこなせないといけないし、その時々で裏目に出ることもある。一度地に落ちれば復活は難しい。そういう世界である。華々しくもあり空しさもある。

 話は、くるくる変わって行ったが、コンサドーレ札幌にもマーケティングが必要だろう。そして人を集めて注目させるには、何らかの話題性が必要になる。

 今いる選手の中でこれからを期待させるのはやはりユース上がりの選手たちである。札幌を巣立った、吉原、山瀬、今野の3選手は、日本代表にもなった。もし札幌にいるときに日本代表になって活躍してくれれば言うことが無かった。

 

 今、日本代表に成れるという期待を持たしてくれる選手はやはり深井君だろう。この選手を外に放出することなく札幌に所属したまま日本代表にさせることが札幌の生きる道である。どんなに今後報酬により経営を圧迫しても放出せずに残すことが、札幌にとってのマーケテイングに成ると思う。