節電

 曇り、雨上がりの朝である。湿度も急に高くなった感じがする。


 今回の節電要請にからみ、東京都知事は、パチンコと自動販売機に噛みついた。確かにパチンコの台は、昔の手動式と比べ格段に電気を使用するようになった。以前なら機械式のチューリップが玉の反動で開いたり閉じたりするだけだったが、今は、当りに関係なく四六時中電飾は点滅し、大当たりとなれば、盛大に光をまき散らすようになった。

 更に、自動販売機は、通りを歩けば数十メートルおきに設置され、お金さえあれば脱水で死ぬことは無くなった。更に、誰も利用しないような場所にさえ自動販売機が設置されていることがあり、誰が利用するのか不思議に思うことさえあった。

 その自動販売機の設置の理由の一つに、消費税が関係しているとは知らなかった。「自動販売機 消費税」で検索してみると分かるが、これで引っ掛かるのは、多くの税理士のページである。税金を扱うに当たり、自分の商売に利用できることは大きく取り扱うのは、人の世の常である。

 その自動販売機設置の理由は、「消費税の還付」にあった。

 マンションを建てて賃貸を行った場合、「土地、建物」の貸付は非課税扱いになっているため、例え建物の建設時に消費税を払っていても、消費税還付は受けられないことになっている。
 しかし、ここに抜け道があり、自動販売機を賃貸前に設置し、その売り上げだけを計上すれば、建物建築時に支払った消費税が還付されることになるのです。

 まさしく法の抜け穴を利用した節税対策ですので、多くの税理士が主導してこの方法を全国に広めただろうと思います。それが今のどうしてこんなところに自販機があるのかの理由となっているのです。

 ただし、この方法も平成22年の税制改革で有効ではなくなりました。

 今後自動販売機の設置は、無い代わりに撤去もされません。自動販売機が無くならない理由は、数を置くことで機械代、電気代を稼ぐ売り上げがあれば利益が上がるからということでしょう。マイナスにならなければ自販機を撤去する理由もありません。

 売り物がこのように無人で道端に置かれている国は、外国には余りないでしょう。そして24時間冷えた飲み物が購入できる国も他に存在すると思われません。
 
 自販機の数を減らしたければ、電気代を上げるか設置に税金を付加する方法が考えられます。復興に税金が必要な時代、このようなものがやり玉に上がる日が近いかもしれません。