連続ドラマ

 晴れ、気温は3度。日中は17度と天気予報では言っていた。朝が暖かければ秋の気分なのだろう。

 いつも勤め先に行くのに家を出る時間は一定ではない。そうすると街の風景が変わるのを感じる。やはり大きいのは人の流れだろう。

 住宅街から学校、会社に向かうのにJRを使う地域の為、その発車時刻に間に合うように人の流れが出来てしまう。2,3分違えば人の流れは大きく違う。

 自分は、毎朝一定の時間に勤め先に付くことは決め手はいないのでその辺りは自由に時間を変えられる。だけれど毎朝の通勤時間帯に道を歩く時、大勢の人とすれ違いながらあるいは同じスピードで群れのように歩くのは好きではないので、なるべるなら人のいない時間帯を選ぶようにはしている。

 そうすると狭い歩道も余裕で歩けるし、前の人を追い抜こうなどということもせずに済む。独り言を思わずつぶやいても誰にも聞かれることは無いからである。

 そうすると自然と早い時間帯になるのだが、そうするとその時間帯に合わせて見かける人が存在するわけである。毎日自転車で勤め先に向かうおばさん。犬を散歩させている人、ウォーキングしている人など勤め人や学生とは違う人を見る率が上がるわけである。

 すこし、遅れるとそういった人たちは減り、通勤の人、それより遅ければ通学の学生という風に様相が変わり、それなりにその人たちを見ることなく見てしまう自分がいる。

 そうして何年も通っていると、今まで見た人を見かけなくなったり、急に新しい人が加わるようになる。学生などは中学、高校と3年スパンで変わるので当然なのだが、勤め人になるとあの人は年を取っていたから定年かなとか、勤め先が変わったのかなと想像することになる。或いは、自分と同じように時間帯を変えているのかもしれないが。

 特別知った人でないのでその辺りは勝手に想像してしまうのだが、毎朝に近い回数すれ違っているとそういった感情を持つようになる。

 毎回、筋書きのない時間を過ごしている筈なのに、毎回同じ時間帯に同じ登場人物が現れるのだから、ある意味毎朝連続テレビ小説の中にいるようなものである。同じような展開なのに少しづつ少しづつ登場人物が変わっていくのだが、大きく変わる時期もあるという筋書きなのである。