最高裁は、昨日、オウム真理教の松本智津夫被告の特別抗告を棄却した。これで死刑判決が確定したことになるが、弁護団は再審請求するという。
この裁判に掛かった期間は10年。そして、裁判で被告本人が今回の件について明らかにした事実が無く終了してしまった。この10年は、長かったのだろうか短かったのだろうか。
そして、犯罪を犯した宗教団体であるオウム真理教は、現在も活動を続けている。
今回の事件で、国民に教えてくれたものはなんだろ。新興宗教の恐ろしさだろうか?それとも、サリンと呼ばれる毒ガス兵器が、私たちの暮らしている直ぐ近くで製造され使われてしまうことの恐ろしさだろうか?
或いは、このようなことが起きることが当たり前と思われる世の中になったと言うことだろうか?
自分の感想を言えば、虐げられたグループが、その怒りのエネルギーをため解き放つ怨念にも似た復讐のパワーの恐ろしさだろう。そして、自分たちを正当化し生き残ろうとする強い生への欲望のため、自分たちとは無関係なグループを滅ぼそうとする力を発揮した姿を示した事件だった。
そして、911のように、自分たちの思想のためならどんな事でもするのだということを世界中の人に教えたのではないだろうか。
この負の連鎖は、永久に燻り続け、何時如何なる場所でも自然発火する。いくら、無関係な市民が、話し合いで解決しようと持ちかけても無駄な努力となり巻き添えで死んでいくのである。
この何年かで、もう既に話し合いでは解決しない状況に来ている。どちらかがこの地上から消滅してしまわない限り永遠に続くチキンレースになってしまった。
さて、次の10年はどのような世界が来るのだろうか?