天下り

緑資源機構の役員が逮捕された。同様な事件はこれまでに多くあり、左程問題視されなかった経緯がある。世間も、役人が退職してそういうところに再就職することも、なんとなく暗黙の了解と言うところがあったはずである。

 やはりその流れが変わったのは、日本の景気がはじけた時と同じだろうと思う。一般の家庭のサラリーマンが景気後退とともにリストラという名の元に退職していった。しかしその後再就職先が無いという状況があった。
 それが、今まで続き、更にフリーター、ニートなどの新しい呼び名の無職の若者が増え、世間の意識は、何の苦労も無く再就職し、更に巨額の退職金を受け取る天下りと言う制度を容認できなくなってしまったのである。

 それも時代の流れと言うしかない。その流れを10年以上見てみぬ振りをしてきたお役人たちが責任を取るべきなのである。
 
 しかし、法律を作るのは議員の仕事であるが、実のところ法律を立案するのは役人の仕事である。今回の不祥事を受け世間の風当たりを気にし、天下り規制法案は国会を通るだろうが、頭の良い彼らのことであるから、必ず自分たちの不利益になるようなことはしない。何らかの方法で、退職後の利益を確保するに違いない。
 それを俗に言う「転んでも只では起きない」というところなのである。