独り言

世の中には、例えば生活環境を区別する意味で、上流、中流、下流と別けて呼ぶ。昔は総じて中流の家庭が多かったが、今はどうなのだろう。世間一般の生活環境が上昇すれば相対的にその意識も変わってくる。今まで自分の生活が中流と思っていても、家に薄型フルハイビジョンデジタル液晶テレビが無ければ下流であるという格付けが出来ているかもしれない。

 そこに、母子家庭と生活保護そして下流と言われる生活をしている人たちがお互いをけなすわけである。その中で一番偉いと思われるのは、下流の生活をしている人かもしれない。だって、生活保護や生活補助を受けていないからである。曲がりなりにも給与から所得税や住民税更に雇用保険年金までも支払っているからである。

 それで自分たちより楽な暮らしをしているように見える生活保護世帯や母子家庭を非難するのである。

 そこで、何故中流や、一晩で一月分の給料程度を使う上流を攻撃しないのか?それは何時の日か上流似なれることを夢見ているのか?それとも自分が首になることを恐れているのか?

 世の中の構造は、学校のイジメと同じである。いじめられているものが更に別な子をいじめる。決していじめっ子やそれを傍観している側にはその怒りを向けない。
 今までそうやって生きていたからである。

 チャンチャラおかしい。鼻くそが鼻くそを笑ってどうする。ものを言う相手を間違っている。言うなら上流階級、中流階級に向かって言え。「俺たちの暮らしを楽にしろ」と。

 だけれども今までそれを言って成功した奴を知らない。いつの間にか時代の中に消えてしまった。そう言えば昔、日本史で「大塩平八郎の乱」てあったけれど、あれは学者で与力だったから下流ではなかった。

 別に革命を起こせと扇動するわけではない。下流の人が上流を目指すのは良いことである。しかし、鼻くそが鼻くそを笑うべきではない。それは翻って自分を笑うことでもある。

 万人にとって平等な世の中は存在しない。でこぼこの中に調和がある。少しでも調和を取るため、上流の人は、自分の利益を少しでも何らかの形で還元すべきだと思うよ