札幌 vs 清水

曇り空なのか晴れなのか分からない空の下、厚別で試合は始まった。気温は30度近くに上がっただろうか。

 遠く清水からオレンジ軍団はやってきていた。サンバの太鼓にあわせ試合開始から試合終了まで続いていた。遠くからご苦労様である。そんな相手の声援とは裏腹に札幌の応援は、声は出ているのみゴール裏のみ。メイン、バックスタンド合わせて余り声が出ていない。もう少しスタンド全体で声が出ていればもっと相手を圧倒できたかもしれない。
 昔、サッカーの応援でも使われていた、手拍子用の応援グッズが懐かしい。確かに声ではなくあのがさつな音は、プロ野球の代名詞だったかもしれない。しかし、あの音がスタンド全体で応援の声に合わせて鳴り響くさまはそれなりにヒートアップした。しかし、それがJリーグには気に入らなかったらしい。いつの間にかそれは売られなくなって消えてしまった。
 確かに手拍子も良いものだが、いつまでも叩くのは中々疲れるものだ。そういった意味で貴重な音源だった。声が出せない応援組みにとってあれがあればと思わずに居られない。

 そろそろ試合の話をしなければ、

 試合は、札幌が走り、清水がパス交換を主体に攻めるというものだった。この暑さの中、清水は省エネスタイルで試合を運ぶつもりらしい。
 方や札幌は、守備で走り回り、ロングボールで攻め込む。それを上手く前線でつなげることができない。
 札幌のシュートは藤田選手のペナルティエリア外からのミドルが初めてだった。そして試合は流れ、清水が攻め込む、左サイドの清水の選手があげたボールをあの西澤選手が決めて先制される。余りにも札幌の選手が棒立ちだった。フリーなら元日本代表の力はさすがである。

 その後は、清水が落ち着いた試合運びをする。嵩にかかった攻めはしない。そして札幌も反撃を繰り返すが今一歩ゴールに届かずこのまま終わるかと思われた半ば、札幌が得たCKをダヴィ選手がでゴールを決める。これで一気に札幌が優勢になるかと思われたが、パスの精度が非常に悪い。それでせっかくの勢いがそがれてしまう。
 そして前半終了直前、CKから清水に追加点を奪われてしまう。

これで2−1である。

そして前半終了。アンデルソン選手は、微妙である。まだ他の選手との呼吸が合わない。ボールキープできるしポストプレイもできるが、それが続かない。更に前であまり走り回らない。守備もしているのかどうか分からない程度。もう少し飛び出しや守備に積極的でなければとは思う。それでも得点さえ入れてくれれば文句は誰も言わないのだから早くゴールが見たい。
 
 箕輪選手、積極的な守備があり貴重な戦力である。しかし周りとの連携がいまひとつなのか、あるいは周りが譲ってしまうのかマークの受け渡しがいまひとつか。得点を許したシーンは全て相手をフリーにしていた。

 後半は、やはり省エネで進める清水に対し、何とか辛抱し反撃に掛ける札幌の戦い。何度かあったCKも中々決まらない。クライトン選手の上げるボールが悉くニア。
 そして相手の反撃に合い、ゴール前に迫られる札幌、それを何とか跳ね返す。相手のミスにも救われた。
 
 そして後半も残り半分を過ぎたところで、札幌のCKから、代わって入った池内選手のゴールが決まり再度追いつく。
 相手の清水の動きから、同点になる予感はした。それが現実になった。

 そして何とか勝ち点3をとろうとする両者が攻めあう展開。そして後半も残り5分のところで立て続けにチャンスを作る札幌しかし得点できず。
 清水の攻めを何とか凌ぎ、結果ドローに終わる。

 複雑な心境である。もしかしたらこの試合なんとしてでも勝ち点を取らなければならなかった試合だったかもしれない。といっても試合は終わったこと。札幌も中位相手には何とか試合ができるレベルになった。
 しかし相変わらずまだ守備はほころびが目立つ。足の余り速くない相手とやる場合はやはりベテラン中心で試合をするしかないのだろうか?

 後残念なのは、ブルトー的ザークライトン選手が次の試合に出られないこと。あのイエローは無駄なものだった。

 それでも次につながる試合ができたと思う。少しずつ歩みを進めるしかない。