スパイラル

曇り空。時折雨がパラつく。 昨日から今日に掛けて強い風が吹き荒れていた。太平洋側からの暖かい空気が入ったせいか夜中でも気温は高かったようで積もっていた雪が融け、下の硬い氷の部分が現れスケートリンクのようになっている。これでは、靴底の滑り止めも役立たずである。 景気の悪化は、日本にも津波のように押し寄せている。 外国で日本製品が売れないため、日本にある輸出産業の工場はリストラの嵐である。 景気の良いときは、 物が売れる→給料が上がる→物が売れる の繰り返しで有ったが、今はその逆で 物が売れない→給料が下がる(解雇される)→物が売れない という局面に陥ってしまっている。 これを打開するには、給料を上げる、雇用の確保をするか、誰かが物を買うしかない。 今、自動車会社や電器系の会社で、社員が自社製品を買うということが話題になっているが、この不景気が短期間で収まるなら問題ないが、長期にわたると予想されている現在一時的な効果しかない。継続的な売り上げが無ければ息も続かないだろう。 ここで問題なのは、今回の不景気の原因が、実体のない紙だけ或いは電子的な取引で行われた金融商品が弾け飛んだことにある。もし、ここで現物がありその量の範囲内で取引が行われていたらこれ程の被害は無かっただろう。 まるで絵に書いた餅の様な取引を、更にそれを基にして取引を行い続け無限に膨張させたから手に負えないほどの被害を受けたのである。 そして世界の国々の人がいつの間にか大きな借金を抱えた状態にあるわけである。実は、その間多くの利益を上げた人たちが居たわけなのだが、その利益を上げた人たちは、隠れてしまい、全ての人たちが皆借金があるようにするのがいけないのである。 バブルで儲けた人たちは、その利益を還元するべきときなのであるが、将来の不安から閉じこもってしまった。  そして不安要素は、世界各国の動きだろう。国が立ち行か無くなれば、絶対に保守主義になる。自国のために他国を思いやる気持ちは失せて、自分たちが生き残る方法を考える。持てる国は、その持った富を自国内で動かそうとする。 そのため持たざる国は更に持たざる国になり疲弊していく。そうなったとき領土を拡大しようという動きが出れば戦争状態に陥る。 今起ころうとしている戦争が、第2次世界大戦の時と違うのは、原爆、水爆などの兵器が世界に存在する事である。一つの戦争でどれだけの人、物が破壊されてしまうことだろう。戦争の方法が変わってしまった。 この不景気を乗り切るには、世界的な金融の枠組みが必要だろう。各国に金を行き渡らせるしかこの不況を乗り切る術は無い。