何も無い

空は灰色の雲で覆われている。時折小さな雪の粒が舞い落ちてくる。寒さは、普通の2月の気温に戻った様で肌を刺す様に痛い。 景気は、悪いとのニュースしかないため、なにやら自分の懐も寂しくなった気がする。特に今貰っている給与が減俸されたわけでもなく、普段どおりに手に入り、更に小遣いも普段どおりであるにも拘らず、使うのが躊躇われる。 確かに今すぐ欲しいものは無い。例えば家電製品にしても、まだ壊れないから買い換えないし、自家用車もまだ故障していないので買い換える気がないだけである。 そういった気持ちの人がどれ程居るだろうか?お金がジャブジャブ余っていれば買うかというとそうでもないと思うが、それでも財布の紐がゆるくなるだろう。 だから、将来景気が回復し、今より給料が倍になるという保証があれば、当然消費意欲もわくだろう。しかし、将来も給料が増えず、子供の学費や家の修理に金が掛かると思えば、それ以外の出費は抑えようと考えるのが人間の本能である。 将来、安心できるようなばら色の未来を提示してくれるなら景気回復も早いと思うのだけれど、将来の年金も心配しなければならない状況ではそれも無理というものだろう。