白く光る雲が空全体を覆っている。時たましぶきのような水滴が顔に落ちてくる。昨日夜半に雨か雪が降ったのだろう。道路の所々に水溜りが出来ている。

 朝の道路のを歩いていると、電柱にとまったヒヨドリが何かを訴えるようにさえずっていた。何が言いたいのだろう。何時もはつがいで行動しているので、仲間を呼んでいるのだろう。
 
 歩道脇の雪はすっかり解け、残っているのは、庭先の雪と、公園に積み上げられた除雪の残りの雪だけになってしまった。自分が消え去るまいと懸命に生き残ろうとしているようにも見えるし、何かの残骸のようにも見える。どちらにしろ、何か哀れさを感じる。

 千葉の知事選挙は、元俳優だった森田健作さんが当選した。元俳優と言う肩書きは、もう既に彼にとってふさわしくないものかもしれない。少なくともTVから消えて久しい。時たま出てくるのは、昔のTV番組を放送するような「なつかしもの」番組くらいだった。
 参議院全国区に登場し、華々しく登場したが、これと言った活躍も無く引退してしまい、そのまま忘れ去られるかと思ったが、昔のTV番組を見て育った世代への影響力はまだまだ健在だったらしい。
 
 千葉と言えば、浜田幸一さんに代表されるような古い体質の県で、いわゆる土建王国と呼ばれる所である。元知事は、汚職で捕まるような土地柄である。この県をどのように立て直すか見ものである。
 確かに、昨今の公共事業の抑制は、徐々に土建屋体質から様変わりを見せ始めている。ヤクザ稼業の主流も建設土木関連から、金融業にシフトし始め、昔ながらの体力勝負から頭脳中心に変わってきている。その中で、建設土木を中心とする古い体質が残る千葉県自体も変わって来ているのだと思う。
 その風土の変化は、北海道にも徐々に現れている。町を支配していた土木関連の会社が、この不景気で徐々に体力を失い、その支配力を失ってきている。
 昔なら、町の公共事業の全てを差配し、自分たちの勢力を誇示してきた感があるが、今では、昔なら下請けに回していたような工事までもするようになってきており、それだけでも時代は変わったと感じざる終えない。

 このように各都道府県の権力構造が変化してきている事実は間違いないところで、それに依存してきた自民党も徐々にその力を失っていくのは正に論より証拠と言うしかない。
 今回の民主党小沢代表の件もその一端かも知れない。古い体質は、徐々に日本の表舞台から退場願うということだろう。
 その点で言えば、自民党に残る人たちもその基盤を失いつつあるのだろう。それを乗り切るために色々な分野に顔を出そうとしているのだが、昔のイメージは拭いがたく、今後徐々に消えていくのは間違いないだろう。

 時代は変わりそして、老兵は消え去るのみである。