晴れ、雲は多い。気温もそれ程寒くない。

 既に秋風が吹き、一抹の寂しさを感じさせるこの頃である。庭の楓はまだ青々した葉を風に揺すられているが、この葉が色づく頃には朝の気温もマイナスに成る事だろう。色付く景色も見たいのだが、それが時間の経過を感じさせるものだとしたらやはり一抹の寂しさがある。

 徐々に、自分の周りにも新型インフルエンザの感染者が出始めた。やはり小中高という若年者の感染がすさまじい。学校も集団感染による何割かの重症者の発生を予防するために学校を休校しているが、その効果も一時凌ぎの部分がある。

 今回の感染に関して厚生労働省の動きは鈍いと言うしかない。ハッキリ言ってしまえば医療機関に対応を丸投げした状態である。今回の新型インフルエンザがまだ重症者の数がそれ程でないために国民はパニックに陥っていないが、もし重症率が高く死者数も高率であれば国内の活動は停止してしまう。

 今回の流行で問題となるのは、国、都道府県、各市町村という命令系統と保健所という2系統があり、伝言ゲームのように情報が下に下りてくる。しかし、その間に命令の解釈が各実務担当者で少しずつ異なるようになるということがある。命令系統が複雑に成れば成るほど末端では混乱し自主的解釈で実務を行う必要がある。
 政府もリスクに応じた防疫体制のレベルを明示し(これは既にあるかもしれないが一般的ではない)感染症に対する防疫手段を統制する必要があるだろう。
 今後、今回の流行を教訓に、きちんとした防疫体制を取れるような組織作りが是非とも必要である。