どっちを向く

 空には少し雲が浮かんでいる。朝日が今まさに昇り始めようとしている。その光を浴び東に浮かんでいる雲は金色に輝いている。
 路上に停めた車の表面に氷の結晶が模様のように浮かんでいる。冷え込んだ朝である。


引用 日経新聞http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20091211AT3S1002410122009.html
日中懸案解決、参院選の後に 小沢氏、胡主席に意向
 【北京=小嶋誠治】民主党小沢一郎幹事長は10日、北京の人民大会堂で中国の胡錦濤国家主席と会談した。小沢氏は「政権交代は実現したが、最後の戦いは終わっていない。参院で民主党が過半数をとることで中国ともざっくばらんで思い切った議論をする環境が整い、良い日中関係になる」と表明。日中間の懸案解決には来年夏の参院選に勝利した後に取り組む意向を示唆した。

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 民主党の中で、小沢さんは西を向いている。鳩山さんは空の彼方を見ている。

 この構図の中で、東を見ている人たちの苛立が今の日本の状況で有る。誰が正解か分からない。すべての回答が曖昧で未来を予知できるものではない。
 しかし、大勢の人間がどちらかの方向を見ることになればそれが今の日本の進路を決めるということだろう。

 時代は、今まさに大きくうねり始めている。世界の盟主だった米ロがその力を落とし、中が台頭し始めたことによるパワーバランスの変化の中、日本が波に飲まれ消え去らないようにするためにどちらを選ぶかということである。

 今までの日米関係は、必ずしも日本の主権を尊重したものではなかった。アメリカ側からすれば日本は対等の立場ではなく、ある意味自分の属国に等しい扱いであった。
 自分の国の利益の為には、日本は調度良い金づるでも有ったし、東アジアへのアメリカの影響力を保つためには、軍事的に調度良い防波堤の役割を果たさせる国として重宝してきたわけである。

 これは、あからさまにアメリカが態度として明らかにしたわけではなく、戦後の歴史の流れが正しくその状態だったということである。結果として日本はアメリカに隷属してきたのである。
 もし日本にアイデンティティーがあれば、アメリカも日本に過度な要求はしなかっただろう。イギリスのように対等な立場で日本を扱っていたかもしれない。
 
 しかし、悲しいことに日本の政治家に、面と向かってアメリカに対等の立場に立って意見を言う人が居なかった。日本人もアメリカにあこがれを抱き、日本がアメリカに従属することをいとわなかった結果が今の日米関係を構築てきたということになる。

 その歴史の過程を変換する時が来ているのかもしれない。