中国と日本

 雨、土曜までに降り積もった雪がみるみる融けていくが、踏み固められた所はそのままである。これが冷え込みで氷になればまたもやツルツル氷になってしまう。ここ数年繰り返される現象で、いやな気分になってくる。

引用 毎日新聞http://mainichi.jp/select/world/news/20101220ddm007030131000c.html

韓国:中国漁船体当たり 中国政府は沈黙、関係配慮か 1人死亡1人不明

 【北京・成沢健一】黄海で18日に中国漁船(63トン)が韓国海警察庁警備艇に体当たりして転覆した事件について、中国外務省は19日夕までに反応を示していない。国営新華社通信や主要紙は黙殺しており、中国側は慎重な対応を探っている模様だ。

 

 このニュースを見て、尖閣諸島の中国の船長の行為が英雄的行為ではなくただの乱暴者の行為だったことが日本人には知らされたわけであるが、これが中国内でどのように処理されたか不明である。

 

 ここで中国脅威論を振りかざすわけではないが、ここ数年の中国の経済成長がもたらした富が、色々なものに消費されそれにより中国人の生活の質も向上してきたわけである。

 一昔前なら、日本の昭和的な環境に居た国民が急激に生活の質を変え、更に教育を受けられる環境に生きるようなった。教育は、日本と同じレベルだとしても、その数は、日本の数十倍である。

 

 日本で例えば年代ごとに10人の天才が生まれると仮定しても、中国では同じ時期に100人の天才が生まれる。それは10人と100人の落ちこぼれが発生することと同義でもある。

 更に、日本では、不良は10人しか発生しないとしたら100人の不良が中国では発生する。正しい数字が無いが概ねそのような感じであるのは間違いない。

 

 そういった事実の中で、中国は成長を続け人間を世界に排出し続ける。まさしく世界の巨人に成長している段階である。その度合いはアメリカを数年で抜き去るだろう勢いである。その膨張を続ける中国をどのように政府が統治するかが今の問題だろう。

 人間というものは、どこにいても集団になれば派閥が出来る。各々の派閥の力が均衡していれば争いは起き難いが、一端その均衡が破綻すれば三国志のような争いはどこにでも起きうる。

 その膨大な富と使える人間を束ねるには相当な知力と武力を必要とするだろう。それが更にパワーバランスの崩壊を生む。今の中国が置かれた状況はまさしくその状態になりつつある。

 まさしく八つの頭を持つ蛇がお互い意志の疎通もなく動き回ろうとしている状況ともいえるだろう。その怪物を世界がなすすべもなく見守っている。そしてまたもやアメリカがそれに敵対する勢力として動くのだろう。世界に2つの強国が存在することを許さない国だからである。

 そして日本である。今では中国とアメリカの顔色を伺いながら右往左往している狐である。どちらにつけば利益に預かれるかそれとも自分の身を守れるかという状況である。既に日本という国は半分死んでいる状況である。

 これを生き返らせるには、並大抵の努力では済まないだろう。まさしく延命治療か抗がん剤による積極的治療家選択しなければならない状況にある。どちらを選択したとしても余命はそう長くは無い。

 そうだとしたら何をするべきかは明白である。新しい生命に次を託すしかない。日本という一時的に成長した体を一度脱ぎ捨て新しい国家として生まれ変わる準備をすべき段階にある。

 新しく生まれ変わるといっても、日本国民を全て消滅させることは不可能である。それはこれから生まれてくる世代を新しい環境で教育していくことである。

 日本の戦後教育は間違いなく失敗したと言って良い。受験競争を否定し始めたときからの教育は、均等な若者を育てることを主目的としてきた。落ちこぼれを少なくするために、教育レベルを下げ、更に能力をアップしようとする子供を逆に下に下げることで教育レベルの均一化を計ろうとした。

 そして大学に入れば、満足に教育を施すシステムを作らずただ4年間を無為に過ごさせる教育を行ってきた。大学で小中の算数を教える前代未聞な高等教育機関を作り上げたのである。

 それは、平等な教育を受けさせようという極端な思想が却って不平等を生み育ててきたのである。それはまさしく教育崩壊である。そして、その教育を受けてきた親の世代の体が今その子供たちを教育しているわけである。

 あと数十年間、日本は下り坂に向かうだろう。その下り坂を上り坂に変えるには、今の世代では時間が無さすぎる。出来ることは次の世代を如何に上手く育てるかが重要である。