不景気

 晴れ、気温は低いが昨日ほどではない。雪が朝方散らついていたが、既に止んでいる。

 
 人は危機を感じていても、自分で対処出来ないときは、その危機が近づいていないような振りをするものである。
 
 今の世界の景気はまさにその状態で、何時しか襲ってくるであろう危機に対して何の対策も対処も打てないでいる。
 何時かやってくる恐怖に対してそれを忘れるためにオリンピックの中継を見、南アフリカで行われるワールドカップに意識をそらそうとしているのである。

 確かに、いまここで恐ろしい世の中がやってくると大声で叫んだとしても、それに対応する術が無いのだから、その言葉に聞く耳を持たないのは仕方がない。

 誰もがそんな話を聞きたいはずも無い。そういうならこの危機を救う手立てを教えてくれと言うしか無い。
 だけれども、誰一人この危機を救う手立てを持つ人はいないのである。それがそもそもの問題で、永久にこの問題から抜け出すことは出来ない。

 それならその危機を忘れ破滅に向かう道を粛々と歩いていくしか無い。その先がたとえ断崖絶壁だとしても歩みを止めることは出来ない。