朝から雪がしんしんと降っている。少し積もりそうな勢いである。気温は思った以上に低くない。
引用 河北新報(http://www.kahoku.co.jp/news/2011/11/20111130t61007.htm)
福島県は29日までに、伊達市霊山町小国地区の農家2戸と同市月舘町地区の1戸の計3戸のコメから国の暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を超す最高1050ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。
これは、生産者にとって本当に残念な結果である。震災直後、稲の作付けに関して不確かな情報が飛び交った。
それは「イネ科の作物は放射性物質の吸収をしにくい」というものであった。実際は、誰も試したことのない事柄だった。
そのため、田植え間近の農家は、そのまま田植えを開始して秋に収穫まで行った。
そして今回の放射能の検出となったのだが、今の段階で出荷停止を行っても流通してしまうコメはたくさん出てくるだろう。その時、一律風評被害を受けてしまうことになり、他の検出されないコメも同様の評価を受けてしまうことに代りは無い。
最初から作付けしていなかったらこんな悲しい思いをせずに済んだだろう。残酷かもしれないが、今回放射能濃度が高い地域、あるいは隣接した地域は、この先100年以上は作物を作っても放射能汚染は免れない。
いくら除染しても除染できなかったところから雨、風に運ばれてまた再び汚染されてしまうだろう。それ程深刻な被害を与えられたことを理解しなければならないだろう。
実際、そのことはその土地に住んでいる人が薄々感じていることだろう。
原発事故当時、さまざまな憶測が飛び交い、どれを信じて良いか判らない混乱した時期があった。
でもその中で冷静に判断できた人たちがいたはずだが、感情論に押し流され、正当な意見として取り入れられないことが多かった。
危機的状況に置いて、冷静な正しい判断を言ったとしても、感情論がその意見を抑え込むことの方が多いということを皆理解しなければならない。
そういった反省が、全ての人に必要で、またこのような災害が起きた時、冷静な判断が下された意見を如何に受け入れる体制を作るか、それが出来なければ、また右往左往してしまうだろう。