衣料品

 曇り、夜が明けたはずなのにまだ外は暗い。気温もマイナス10度近くまでは下がっているだろう。

 
 年明けの大型スーパーに出掛けたのだが、午前中はスカスカだったのが昼過ぎから突然混みはじめた。午前中はゴロゴロしていた人たちが漸く起きて買い物に出掛けたということだろう。

 それにしても衣料品のディスカウントは半端ではない。年末に販売していた値札の半額は当たり前で、ここまで安くなるのなら冬物はセールが始まるまで待つのが当たり前になってしまう。消費者心理としても、一月で値段が半値になるのなら待つことも当然である。

 確かに店頭在庫を一掃しなければならないというのは、店としても当然行わなければならないので売り切る方が損失も少ない。もしこのまま売れなければ、バッタもん専門店に流れ、その後はごみとして捨てられてしまうのだろうから流通の後になればなるほど価格は下がる。経済の原則である。

 衣料品の価格がこれ程低いのは、正しく最初の価格を最終的に半額で売る場合の損失を加えて価格設定しているからであろう。それが無ければ店はつぶれてしまう。

 確かに、その他の商品、例えば食器や調理器具などは、目玉商品はあれど安いというわけではなく、平常価格で売っている。そういった意味で衣料品はまさしく鮮度が第一の食料品と同じ扱いと思えば納得がいく。

 そうして箪笥の中に眠る衣服が増えるわけである。だって買っても着なければ、何年たってもそれ程痛まない。気に入って愛用する品だけは直ぐにボロボロになる。まさしくそれで世の中は回っている。

 しかし、この人混みを見て少し道内経済の先行きに安堵するとともに、この時期だけの一時的現象で無いことだけを祈るのみである。