石川選手

 曇り、時折日差しがあるが、それも長くは続かない。気温は、10度を少し超えたところくらいである。


 早朝から全米オープンの放送があった。テレビの石川選手は徐々に大人の顔つきになってきた。それと同時に、色々なものを両肩に背負ってきたように見え、初めて出場したころの思い切りの良さが隠れてきた。
 
 自分もそうだが、人は変わる。2,3年前に重要だったことが、今ではさほど重要ではなく、また別なものが人生の主となる。それを繰り返しながら生きて大人になる。いつまでも子供の心のままではいられない。

 今季、石川選手は、賞金をすべて今回の大震災の義援金にすると宣言した。その行為は、素晴らしく誰も非難するものはいないだろう。しかし、見えない重荷を両肩に背負いプレーしなければならなくなったように見える。
 それは、今まで自分のためにプレーしていたのが、一挙に被災した大勢の人のためという別な思いが生まれたからかもしれない。それは、本人にもわからないプレッシャーかもしれない。

 更に、インタビューする青木功さんもだいぶお年を召された。それは超えの張りからも伺える。人間は、知らずに年を取る。そのことは、人類が地球上に誕生してから永遠と続く不変の定理である。

 今日の石川選手は、結局+3で上がった。それでも並み居る強豪が全て良い成績で上がることのない試合で立派な成績である。しかし、彼の両肩に背負った被災者の方々が望む、勇気や希望といったものを叶えるためにも、それを力に変える何かが必要だろう。その何かは、本人の思いとは別の心の在り方にある。

 明日、その壁を乗り越える活躍をすることを願っている。