白血病

 曇り時々雨、気温は10度前後と非常に寒く感じる。徐々に夏の気温に順応してきた所でこの寒さは、体調に悪い。

引用 日本経済新聞http://www.nikkei.com/news/headline/archive/article/g=96958A9C9381959FE0E1E2E4918DE0E1E2E4E0E2E3E39494E3E2E2E2

サムスン工場勤務で白血病 裁判所が認定
 【ソウル=尾島島雄】韓国・サムスン電子の国内の半導体工場の従業員に白血病の発病が相次いだとされる問題について、ソウル行政裁判所は23日、工場勤務と白血病発病の因果関係を認める判決を下した。白血病で死亡した従業員の遺族が勤労福祉公団を相手取り起こした訴訟で、労災と認めず、補償金不支給とした決定の取り消しを命じた。聯合ニュースが伝えた。

 この問題を巡っては昨年春、サムスンの半導体ラインで発がん性物質を使用したため発病者が続発したと市民団体が指摘していた。裁判所は白血病の発病経路が医学的に明らかにされない場合でも「少なくとも発病が促進されたと推定することができる」と判断。「白血病と業務の間に因果関係があると見るに相当する」としている。

 これは興味深い記事である。

 白血病の危険因子となるものは、放射線である。今回半導体の製造ラインで使用される物質が具体的に何であるか判らないが、ベンゼンなどは白血病の発生を増加させる因子となる。

 電子部品の洗浄には有機溶媒が使われてきた。サムスンの工場ではその有機溶媒としてベンゼンが使用されていたようだ。

 普通のがんは、遺伝子異常を起こした細胞が、人体の免疫機能を乗り越えて成長し、目に見える大きさになるまで2,30年のスパンを要する。それと比較して、放射線などを浴びて白血病を起こした場合などは、10から20年の潜伏期を経て発症するため、放射線と言えば白血病を引き起こすと思われている。

 今回の発がん物質の暴露を起因とする白血病の発生は、同様に他のがんの発生も増加させているのだが、上記の潜伏期間の差により比較的早期に白血病の発症が目立つようになっているだけである。だから、今後10年経過すれば、他のがんの発生も増えることになるだろう。

 しかし、潜伏期間の10年の差は大きい。何故なら5,60歳代は、生まれながらに発生しているがん細胞のどれかが、がんとして発症したものと区別がつかないため因果関係が不明となる。であるから白血病の発症が増加すること自体が比較的因果関係が突き止められやすい病気と言える。

 人間の寿命は、いくら長く生きたとしても100歳程度である。それ以上生きようとしても細胞が分裂しなくなる時が来てしまう。その寿命の他に、事故や戦争などでその寿命さえも全うできない。

 人は虫けらを忌み嫌うが、人も虫けら同様、生命という土俵では同じところにいるということが実感させられる。