偽装

 曇り、結構強い風が吹いている。雨はまだ降りそうではないが、それを予感させる空の動きである。

 

引用 南日本新聞http://373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=51835) 

薩摩川内市は9日、川内学校給食センターに食材を卸している同市の青果業者が、中国産のタマネギを北海道産と偽り納入していたと、同市議会全員協議会で報告した。南日本新聞の調べで、業者は同市のベスト青果と分かった。

 つい最近、中国産米を日本産米と偽った件が有ったばかりだが、この産地偽装目の前にある現金を見ても、自分のものと思わず見過ごすか、取って自分の物としても誰も判らないと考えるか、その差である。

 目の前の誘惑に打ち勝つ自信が無ければ、こういった事は今後も起こるだろう。何故ならおいしい話には必ずそれを元に生活を掛けている人間が存在する。それが彼らの生きる道だからである。あの手この手で業者に取り入るだろうし、業者も隙を見せればあっという間に道を踏み外す。

 それにしても今後中国産などの海外産物が日本に輸入され、そして産地偽装され売られていくと思うとTPPと歯と思いたくなる。

 もし、TPPが農業分野でも例外なしとなった場合、食の安全は一体どこで担保されるのだろう。中国で作られた農産物の安全性を高めるには、それなりのコストが掛かる。コストを掛けないから農薬や劇物を平気で使うようになる。そのコストを費やすには少し高く買う必要性も出てくる。今の安ければ何でも良いという風潮は、日本人にとって危険だという事を知るべきである。

 もし、TPPが農業分野にも及ぶなら北海道の農業は壊滅的な打撃を蒙るだろう。更にもし生き残ったとしても、低コストで生産するのだとしたら、どれだけ安全性を保たれるか疑問である。低農薬、無農薬で安全性を重視した農業で行うには、今の流通ルートに乗せるには相当高級品扱いに成る。それでも買う消費者の数によって決まるのだが、それを許す環境に北海道はまだなっていない。

 最近、食の安全性の観点から、産地表示を確かめるようにしているが、このように偽装されてしまえば意味が無い。更に加工品に至っては原産地すら表示されていない。外食なども、どこの食材が使われているか判りもしない。

 誤って毒を食らう確率は低いかもしれないが、毎日食べる食品にある一定の確率で毒に当るとしたら、必ず何年か一度に毒を食らっている可能性があるのではないだろうか。